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庭園倶楽部
2019年度 会員募集 ワタリウム美術館

2019年 6月 ー 2020年 2月 金曜日19時ー21時

講師+全体構成=進士五十八   
しんじいそや(ランドスケープ・アーキテクト /福井県立大学長)

ゲスト講師 = 石川初・福岡孝則・粟野隆 / ゲスト = 細野達哉

観光立国のスローガンは、住んでよし・訪れてよしのまちづくりである。私たちが旅するのは、別に奇異な風景が目当てではない。ただ便利で機能的なビジネス都市の、それこそ工業製品で埋め尽くされた無機的で画一的な風景ではもちろんない。その土地を訪ねてこそ出会い、味合える”地域らしさ”が実感できる風景世界を求めてのことである。

自然的歴史的風土の基盤の上に、その地をわがふるさととしてこよなく愛する人々の生活模様がくりひろげられ、その国、その地方、その地域、その場所の固有のランドスケープが私たちビジターに個性的で魅力的な風景体験を与えてくれるのである。2019年庭園倶楽部は、多様で多彩な世界のランドスケープ模様を覗いてみる。
 

@ 6月14日(金)2019年
講師=進士五十八
「美(うま)し国づくり」の思想と方法









ランドスケープにおける「地域性」の重要性と具体策を、美し国づくり協会理事長でもある進士五十八講師が語る。ランドスケープ概念そのものが、立地・地形・植生・材料・技術などからの地域性(locality, regionality)を基盤とするものであり、一方で普遍的工業都市文明下では住民の地域愛の拠りどころとしての個別性(identity)や文化的景観(cultural landscape)は不可欠であり、また風景計画原論と画一的景観下でのツーリズム政策、インバウンド増強をめざす観光立国政策においても、交流人口拡大とふるさと志向市民のマルチハビテーション推進の決め手となる。  

 





進士五十八
  
1944年、京都生まれ。東京農業大学農学部造園学科卒業。農学博士。専門は、造園学・環境学。東京農業大学長、日本造園学会長、日本都市計画学会長、日本生活学会長、日本野外教育学会長など歴任。著書に『アメニティ・デザイン』『風景デザイン』『農の時代』『ルーラル・ランドスケープ・デザインの手法』(以上、学芸出版社)、『グリーン・エコライフ』(小学館)、『日比谷公園』(鹿島出版会)、『日本の庭園』(中公新書)など多数。みどりの学術賞(2015年)、紫綬褒章、日本農学賞、日本造園学会賞など受賞。

画像:福井県越前町江波の白壁民家群(出典:福井ふるさと百景)

A 7月5日(金)
ゲスト講師=石川初  
いしかわ はじめ(慶應義塾大学大学院教授、
登録ランドスケープ・アーキテクト)
  

生活者・工作者のランドスケープ
 










アーキテクトやデザイナーだけが、ランドスケープを創る人ではない。ランドスケープの根源を思考し、そのユニークな方法論で知られる慶應義塾大学大学院教授の石川初講師が、徳島県神山町石積み景観やジャカルタの住宅地のアノニマス ランドスケープ・ウォッチングの成果を語る。生きるための生産基盤として又、生活の基盤と環境を整える等の工作者の営みにみる「生活風景」は実に味合い深い。住民自らがつくる用強美にランドスケープの本質を学ぶ。
 

 


石川初       
1964年京都生まれ。東京農業大学造園学科卒業。建設会社や設計事務所勤務を経て、現在、慶應義塾大学大学院教授として、ランドスケープの研究・教育に携わっている。主な著作に、「思考としてのランドスケープ」「ランドスケール・ブック」など



画像1:徳島県神山町の石積み  撮
影:石川初



画像2:ジャカルタのインフォーマル住宅地  撮影:石川初

8月24日(土)・25日(日)
庭園研修旅行
講師=進士五十八

永平寺から白山信仰各地を中心に 
知られざる北陸のスピリチュアル・ランドスケープを巡る旅
 














画像1:永平寺、福井県




B 9月13日(金)
講師=進士五十八

人類は野生の思考・日本人は自然共生の文化・現代人は
食農環境創造生活
 

類が生きるのに必要な部位に名前をつけたというのは、レヴィ=ストロースの『野生の思考』。花札12ヶ月の動植物と短冊の歌心に、「自然共生社会型」日本文化の原点を見る。国連のSDGsを共有する私たち現代人は、「食農環境」を創造的に生きるべく『グリーン・エコライフ』(進士・小学館、2010)を実践すべし。

画像:六本木ヒルズ 屋上庭園

C 10月4日(金)
ゲスト講師=福岡孝則  
ふくおか たかのり(東京農業大学准教授、米国公認登録ランドスケープ・アーキテクト)

オープンスペースの再編再生で、都市型QOLアップ


パブリック・オープンスペースの活用による都市再生の世界的趨勢(すうせい)をリポート。ペンシルバニア大学院ランドスケープ専攻修了後、アメリカやドイツにおいてランドスケープ・プランニング等多彩なコンサルタント活動を積み重ね、いまランドスケープ論壇を賑わしている気鋭で『Livable City(住みやすい都市)をつくる』(マルモ出版)の著者でもある東京農業大学福岡孝則准教授がこれからの日本の都市再生への新しい知恵と挑戦を語る  

福岡孝則
1974年生まれ。ペンシルバニア大学芸術系大学院ランドスケープ専攻修了後、米国・ドイツのコンサルタント、神戸大学特命准教授を経て、2017年4月より現職。作品にコートヤードHIROO〈グッドデザイン賞〉ほか、著書に「Livable City(住みやすい都市)をつくる」など。

画像:コートヤード HIROO 設計:福岡孝則(Fd Landscape)

D 1月24日(金)2020年  
ゲスト講師=粟野隆

あわのたかし(東京農業大学准教授、造園史家)

東西の出会いが生んだ日本近代造園のダイナミズムと人物群

「ランドスケープの地域性」を考えるときの基本は、伝統的日本庭園に始まり、近代庭園、現代的都市公園、現代の都市ランドスケープへの変遷と広がりを知ること。当にアジア、モンスーン風土の独自性の上に築かれた「日本庭園/JAPANESE GARDEN」が、地球時代の「JAPAN LANDSCAPE」の創出に向わなければならない。このことを本物にするには、明治期以降の西洋との出会と変容、作品の足跡を辿るのが一番。近著『近代造園史』(建築資料研究社)がある東京農業大学粟野隆准教授が近代日本と造園の伝統と革新を論じ、奇想天外の造園人群にも言及する。  

粟野隆
1976年丹波篠山生まれ。東京農業大学農学部造園学科卒。国立文化財機構奈良文化財研究所を経て東京農業大学准教授。2017年日本造園学会賞受賞。著書に『近代造園史』(建築資料研究社)など。 画像:二楽荘庭園(出典:『建築工芸叢誌』第二十冊、大正2年)

E 2月28日(金)
講師=進士五十八  + ゲスト=細野達哉
 
ほそのたつや(日本の造園家、Biocultural Environment Designer) 

ポートランド市民のグリーン・エコライフ


50余年前、アメリカのポートランド市森林公園内に、コーネル大学出身の戸野琢磨がJAPANESE GARDENを設計した。その後日本から若手造園家が継続的に作庭を重ね、今ではアメリカを代表する日本庭園として知られる。2017年には隈研吾設計の交流施設が完成、翌年には同市内で全米日本庭園会議も開かれた。ここに文化庁新進芸術家海外研修制度により細野達哉氏が滞在。彼のポートランド市民のグリーン・エコライフ・スタイル報告を受け、進士五十八コーディネートのもと、フロアとのディスカッションを楽しみたい 。
なお、かつてポートランド市のダウンタウン再開発の目玉はローレンス・ハルプリンのデザインであったが、現在ではレインガーデンなど水循環など環境首都で知られる。

細野達哉
1983年東京都生まれ。東京農業大学大学院造園学専攻博士前期課程修了。1級造園技能士、樹木医、自然再生士。海外での作庭プロジェクトに多く携わり、日本庭園分野としては初めて文化庁新進芸術家海外研修制度に採択される。


画像:レインガーデン、ポートランド

laine

会費

■申込方法
参加ご希望の方は、〈お名前、連絡先(住所/電話番号/E-mailアドレス又はFax番号)、ご職業〉をご記入の上、E-mail: order@watarium.co.jp またはFax:03-3405-7714へお送り下さい。なお、同時に、会費を下記の口座にお振込下さい。定員になり次第、〆切らせて頂きます。

■入会金:5,000円
(ワタリウム美術館サポート会員の方、庭園倶楽部ご継続の方は無料。ワタリウム美術館アートパス会員の方は4000円)

■参加費:19,000円 講演全6回
*研修旅行1回 経費別途
■振込先:三井住友銀行 青山支店(普)普通口座 No.1621750 庭園倶楽部


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