『茶の本』を英語で書き上げ、日本初の米国でのキュレイターして活躍した岡倉天心。近代化、西欧化路線の限界、終焉、新たな脱近代化文明世界への転向にさしかかりつつある二十世紀の現在に岡倉天心は何を語ってくれるのか? 岡倉天心研究会2003 西洋の人々が 定義してきた世界美術史の中に、岡倉天心は東洋美術史のコンセプトを定義付ける尽力を果たした。 岡倉天心の生涯は、公的な面においても― 東京美術学校、日本美術院を軸とする伝統日本美術復興再生運動、「東洋の理想」、「茶の本」等による文明批評、文化理念啓蒙活動、アジアの連帯独立をめざす運動。私的な面においても― 日本から欧米、アジアへ転々とした亡命者的放浪の歳月、二度にわたる悲劇的な恋愛、晩年の隠棲と風流。きわめて多面的かつスケールの大きなものであり、また様々な矛盾、謎に満ちています。 現代に生きる私たちは、一世紀を経たにもかかわらず、岡倉天心の今日的である思想を、求め研究を続けていきたい。2003年「岡倉天心・研究会」第6回は、ワタリウム美術館が開催する、「建築家・伊東忠太の世界展」(4/12〜8/31)にあたり、伊東忠太をからめて岡倉天心を探ってみたい。 5/13/2003〜1/27/2004 19:00〜21:00 ※変更があった場合、早めにご連絡いたします。 |
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2003年5月13日(tue) ■天心の美術指導 ―平櫛田中の体験を通して 美術院の設立者だった天心が、実際にどのように作家たちの制作にかかわっていたかについては、それほど多くの資料が残されていない。生涯を通して天心の強い影響を受けた平櫛田中の作品制作から、天心の指導のあり方について探ってみたい。 講師=小泉晋弥 1953年福島県生まれ。東京芸術大学大学院修士課程美術研究科修了。いわき市立美術館、郡山市立美術館学芸員を経て、現在茨城大学教育学部教授、五浦美術文化研究所長。 |
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2003年7月18日(fri) ■法隆寺幻想の近代 伊東忠太の『法隆寺建築論』によって主張されることになった「エンタシス=ギリシア伝来説」は19世紀という時代の産物である。伊東忠太は、法隆寺について、とくに「東西交渉史的歴史」の観点から称賛している。法隆寺は、中国、インド、さらにはユーラシアをこえ、ギリシアの建築様式がとりいれられている。この点が、すばらしいという価値判断である。法隆寺論の歴史的変化を追いながら、近代日本の精神史について語る 講師=井上章一 1955年、京都府生まれ。1980年京都大学大学院研究科建築学専攻修士課程修了。現在、国際日本文化研究センター教授。専門分野は、建築史・意匠論。著書に、『法隆寺への精神史』、『つくられた桂離宮神話』、『愛の空間』など多数。 |
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2003年7月31日(fri) ■岡倉覚三と伊東忠太 伊東忠太が「氏の目的は日本の古代美術の滅亡を防止するにあった」と評した岡倉覚三は、あたかも死の1ヵ月前、法隆寺金堂壁画保存について建議した。ふたりの師弟的な交友関係をたどりつつ、岡倉の法隆寺にそそいだ熱い想いに迫る。 講師=中村愿 1947年福岡県生まれ。長年、天心の研究にたずさわり、平凡社出版の『岡倉天心全集』および『英文著作集』の編集にしたがう。現在『岡倉覚三選集』の個人編集をすすめている。著書に『美の復権』など。 |
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2003年11月16日(sun)午後1時より ■谷中の周辺を散歩する会 集合は、上野駅の公園口。そこから、東京芸術大学→横山大観記念館→天心記念公園→染井基地。 講師=遠藤健 東京大学卒業。朝日新聞経済部記者を経て、現在、論説委員。岡倉天心については、個人として、深い関心。東京の谷中近くに居住。 |
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2004年1月27日(tue) ■岡倉天心と脱近代思想の可能性 天心の思想は、当時支配的だった西欧近代思想の限界を視野においたうえで、それを克服する可能性を求めようとしたものだったといえる。こうした特質は、同時代においては孤立して理解されないものだったが、ポストモダン文明原理が模索されつつある現在においてこそ、あらためて再検討されるべき可能性を有しているといえる。この問題を広く考えてみたい。 講師=大久保喬樹 1946年生まれ。東京大学教養学部教養学科フランス科大学院比較文学博士過程を経て、パリ第三大学に学ぶ。現在、東京女子大学日本文学科教授。主な著書に、『岡倉天心』、『風流のヒント』、『見出された「日本」』など。 |
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2003年8月21日(thu) ■100年前のアジア冒険旅行 天心の思想は、当時支配的だった西欧近代思想の限界を視野においたうえで、それを克服する可能性を求めようとしたものだったといえる。こうした特質は、同時代においては孤立して理解されないものだったが、ポストモダン文明原理が模索されつつある現在においてこそ、あらためて再検討されるべき可能性を有しているといえる。この問題を広く考えてみたい。 講師=金子民雄 1936年東京生まれ。日本大学商学部卒業。Ph.D.日本ユネスコ協会会員。著書に『ヘディン伝』、『西域 探検の世紀』など。中央アジア研究家。 |
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■ワタリウム美術館の一般会員の待遇が受けられます。 ■ワタリウム美術館が発する、全てのいろいろなニュース、インフォメーションをお送りします。 ■ワタリウム美術館の展覧会を 無料で御覧頂けます。 ■ワタリウム美術館が催す、 いろいろな会に割引で参加出来ます。 ■ワタリウム美術館が企画する旅行に、割引で参加出来ます。 ■(有効期間:2004年3月) |
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■入会金/10,000円(初回のみ) (ワタリウム美術館サポート会員の方、岡倉天心・研究会ご継続の方は無料。ワタリウム美術館一般会員の方は半額) ■会費 年間10,000円(全5回+招待1回) 振込先 住友銀行 青山支店 (普)1033281 (名)ワタリウム美術館 |
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■ワタリウム美術館 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前3-7-6 Tel.03−3402−3001 Fax.03−3405−7714 email:official@watarium.co.jp |
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