lectures / workshop
現代アートは、『今をどう生きるか』という問いから始まります。
かつて、現実生活からのがれて、山で一人籠って制作した絵画を鑑賞する時代と、厳しい毎日に追われている現代人が作品に感動する時代とは、明らかに違うものになっています。

ワタリウム美術館は、展覧会に関係した講演会やワークショップだけでなくテーマ別の研究会、講演会、ワークショップを年間で行っていきます。他分野の専門家たちから多くの幅広い知識と考え方を学んでいきながら、新たな現代アートとの接点を探ります。
20012001-200220022003-200420042005


日頃私たちは、単に難しいと思って来た哲学者たちの「考え方」精神に触れる事により解りやすく創造の世界と未来に展開する会にしたい。前年の日本編に引き続き、それぞれ、オーソリティである講師の方々を迎え、興味深く開催

2005

西欧からの講師を交えて、
建築・庭園・思想など、
この現代日本社会で需要性を再考する



12 /3/2005(土曜日)〜5/19/2006( 金曜日)19時
※変更があった場合、早めにご連絡いたします。


第一回


2005年12月3日(sat) 19:00〜

■フランク・ロイド・ライトが語った岡倉天心
ライトのアーネスト・フェノロサとの個人的なつながり。
ライトの1890年代からの岡倉への早期認識。
『茶の本』がライトの作品へ及ぼした影響。
−老子の建物の実在性としての虚の概念。
−道教の個に対する観念。
−茶室の"粗野な非相対性(Rustic Asymmetry)"など。

講師=ケウ゛ィン・ニュート
1958年、イギリスのコーンウォール生まれ。1993年ケンブリッジ大学博士号取得。
著書に、"Place, Time and Being in Japanese Architecture" (2004 Routledge) 、
『フランク・ロイド・ライトと日本文化』(1993 Chapman & Hall、1997年鹿島出版会)、
1994年アメリカ建築家協会(AIA)のARCHITECTURE BOOK AWARD受賞


第二回

2006年1月13日(fri) 19:00〜

■グローバル時代に見るブルーノ・タウトの今日性
タウトは、ベルリンに多数のモダンな住宅団地を残したことで知られる。他方で彼はグロピウスら、弟分の近代建築家たちのつくる均質な建築、都市風景を批判し続けた。ナチスに追われて日本、トルコに足跡を残した彼は、土着の文化や伝統をもとにした多様な近代性を根付かせることを試みた。それはエスニックな多様性を生かしつつオーガニックなライフスタイルをめざす今日の地球環境思想の先駆けでもあった。工芸作品から建築、ランドスケープまでを視野に納めた彼の造形観を、トルコでの成熟期の遺作から遡りつつ、その見直し方を提示する。

講師=杉本俊多(すぎもととしまさ)
1950年兵庫県生まれ。東京大学工学部建築学科卒業。東京大学大学院工学系研究科建築学専門課程博士課程修了、工学博士。現在、広島大学大学院工学研究科教授。1999年度日本建築学会賞受賞(論文)。専門は建築史・建築意匠(近代建築史、都市史、建築デザイン論)。
主な著書に『バウハウス―その建築造形理念』『建築の現代思想』『建築夢の系譜』『ベルリン、都市は進化する』『ドイツ新古典主義建築』『二〇世紀の建築思想』など


第三回

2006年2月24日(fri) 19:00〜

■柳田国男と折口信夫 −−天皇制理解をめぐって−−
現在、女帝問題などから天皇制についての議論が再び活発になっている。柳田国男と折口信夫という民俗学の双壁が、天皇制というものをどのように理解していたのかを探りながら、現代社会における天皇制のあり方について考えてみたい。

講師=田中久文 (たなか きゅうぶん)
1952年埼玉県生まれ。76年東京大学文学部倫理学科卒業。83 年東京大学人文科学研究科倫理学専攻博士課程修了。現在、日本大学教授。NHKラジオ講座「倫理」講師。専攻は倫理学、日本思想史。主な著書に『九鬼周造』(中村元賞受賞)、『日本の「哲学」を読み解く』、編著に『蘇る和辻哲郎』など。


第四回


2006年3月17日(fri) 19:00〜

■ブルーノ・タウトに聞く−−いずかたからいずかたへ飾る

タウトは日本で建築家の休暇を過ごしてしてまったのだが、タウトにとっても日本にとってもこの出会いはその時期と内容においてきわめて有意義なものとなった。21世紀の大きな転換点に差し掛かったこの時に、タウトの思考と提言とそれが指し示そうとした意味を再びかみ締めてみれば、われわれの姿と行く末を考える大きな糧が得られそうだ。

講師=森 仁史 (もりひとし)
1949年岐阜市生まれ。早稲田大学大学院文学研究科後期課程修了。
松戸市教育委員会美術館準備室学芸員。近代日本デザイン史を専門とし、先日も『ジャパニーズ・モダン−剣持勇とその世界』を編集出版し、話題を呼んでいる。


第五回


2006年4月21日(fri) 19:00〜

■日本の庭園 造景の技とこころ
石と水、そして樹木。日本庭園はこれらを美しく組み合わせ、自然と歴史と文化を一体として表現したものです。日本人はアニミズム的自然観を内包させながら、方寸のなかに宇宙を展望しようとしたといえます。神仏の庭、貴族の庭、大名庭園、庶民の庭、都市の庭と、日本庭園の造景と歴史を考察します。特に、囲繞・縮景・借景・樹藝・然(さ)び等「日本庭園」独自の作庭技術と思想をわかりやすく解説します。飛鳥から現代まで、平泉から琉球まで、日本を代表する名庭名園の見方、味わい方も具体的に紹介します。

講師=進士五十八(しんじいそや)
1944年京都市生まれ。東京農業大学卒業。農学博士、同大教授。農学部長、地域環境科学部長を経て、1999年から6年間、学長を務め、日本造園学会長、日本都市計画学会長、東南アジア国際農学会長を歴任。日本学術会議会員。専攻は造園学、環境計画、景観政策。
著書に『アメニティ・デザイン』『風景デザイン』『「農」の時代』『ルーラル・ランドスケープ・デザインの手法』『日本庭園の特質』『日本の庭園』(中公新書)など多数。


第六回

2006年5月19日(fri)

■まれびと論再考
「まれびと論」は、天才的な民俗学者折口信夫が発見した、日本人の精神伝統を解明するための、先見性に富んだ假説です。この発見から、さらに「日本文学の発生論」や「貴種流離譚」がみちびき出されました。折口が世を去って半世紀、日本人の心の混迷が深い今、その「まれびと論」の意義をもう一度たどり直してみるのも、魅力あることだと思います。


講師=岡野弘彦 (おかのひろひこ)
1924年三重県生まれ。歌人。國學院大学名誉教授、同栃木短期大学学長、日本芸術院会員、宮内庁御用係、宮中歌会始選者。
古い神社の長男として特殊な教育を受けて育つ。神宮皇學館中学から國学院大学に進み、在学中に学徒兵として終戦を迎える。戦後、師である折口信夫と7年間起居をともにし、その最期をみとる。歌集『冬の家族』『滄浪歌』『海のまほろば』『天の鶴群』など、著書に『折口信夫の晩年』『折口信夫伝』など、多数。

   
特典
「哲学・一日アート大学」第9回  会員募集

参加ご希望の方は、申込書に必要事項をご記入の上郵送、e-mailまたはFAX03-3405-7714にてお申込下さい。なお、同時に、会費を下記の口座にお振込み下さい。
定員になり次第、締め切らせて頂きます。

■ワタリウム美術館の展覧会はフリーで御覧頂けます。
■ワタリウム美術館特別ニュースを受取ることができます。
■ワタリウム美術館が開催する講演会の特別割引が受けられます  (有効期限:2006年5月迄)
会費
■入会金 3,000円(御継続の方は不要)
■参加費 12,000円
■振込先:三井住友銀行 青山支店 (普)1033281 (名)ワタリウム美術館
お問合せ・お申込先
■ ワタリウム美術館
 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前3-7-6
 Tel.03−3402−3001 Fax.03−3405−7714
  email:official@watarium.co.jp


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