日頃私たちは、単に難しいと思って来た哲学者たちの「考え方」精神に触れる事により解りやすく創造の世界と未来に展開する会にしたい。前年の日本編に引き続き、それぞれ、オーソリティである講師の方々を迎え、興味深く開催。 2008 探偵小説、あるいは都市を歩く チェスタトンによれば、探偵小説は都市の詩情を表現している。それはほぼ同時期に成立したベースボールというゲームと対照的である。 ベースボールはスモールタウンの田園の詩情を身にまとうからである。 しかしながら、実をいえばいずれも都市が生み出した文化形象であり、都市の詩情は束の間の煌めきと同時に、孤独で残酷な影を含んでいる。デュパンと友人は都市の夜を歩くが、都市にはときに殺人という緋色の絆が隠れている。 ここでは探偵小説のディスクールを通じて浮かびあがる都市の相貌について考えてみたい。 講師:内田隆三 1949年大阪府生まれ。京都大学文学部哲学科卒業。東京大学大学院総合文化研究所教授。専攻は社会理論、現代社会論。著書に、「消費社会と権力」「社会記 序」「ミシェル・フーコー」「テレビCMを読み解く」「探偵小説の社会学」「柳田国男と事件の記録」「国土論」など多数。 |
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第1回 6月20日(金) 19:00〜21:00 ■探偵デュパンの敗北 〜ニューヨークの美女〜 ここでは最初の探偵オーギュスト・デュパンに準拠しながら、探偵とは何者かということを考えつつ、ポーの『マリー・ロジェの謎』について、当時のニューヨークで起こったメアリー・ロジャーズ殺害事件との関連について考えてみたい。 講師=内田隆三 |
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第2回 7月18日(金) 19:00〜21:00 都市の不安、田園の殺意 〜ロンドンと鉄道の宇宙〜 探偵小説は鉄道と深い関係がある。探偵小説は時間の秩序のなかに都市を描きなおす。ドイルの『バスカヴィル家の犬』とクリスティーの『ABC殺人事件』をとりあげ、都市の不安はどのようにして分節されたのかを考えてみたい。 講師=内田隆三 |
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第3回 9月19日(金)19:00〜21:00 尋問、あるいは都市の解剖学 〜愛と貨幣と殺人のパリ〜 都市において、犯罪とは何なのだろうか。メグレ警視はその尋問によって、犯罪と同時に、犯罪のなかにある種の必然として結像する都市の深い奥行きを探り出す。ここではメグレの、都市を生きる人間の解剖学について考えてみたい。 講師=内田隆三 |
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第4回 10月31日(金)19:00〜21:00 広域の不安、広域の生態 〜ロサンゼルスの風景から〜 探偵マーロウやアーチャーは無限定な広域と化した都市を生きていた。そこには家族の絆とは無縁な広大な空間が犯罪の舞台として開けている。レッド・ドラゴンのような異常犯罪者も、広大な空間のなかで奇妙な固体として生息しているが、この広域性について考えてみたい。 講師=内田隆三 |
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第5回 講師=内田隆三 |
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