lectures / workshop
現代アートは、『今をどう生きるか』という問いから始まります。
かつて、現実生活からのがれて、山で一人籠って制作した絵画を鑑賞する時代と、厳しい毎日に追われている現代人が作品に感動する時代とは、明らかに違うものになっています。

ワタリウム美術館は、展覧会に関係した講演会やワークショップだけでなくテーマ別の研究会、講演会、ワークショップを年間で行っていきます。他分野の専門家たちから多くの幅広い知識と考え方を学んでいきながら、新たな現代アートとの接点を探ります。
2001-20022002-20032004前半後半
現代アート大学
1992年から始まったこのシリーズは、アーティストや評論家だけに限定したものではなく教育者やデザイナー、また海外からのゲストなども迎え、幅広く現代アートをとらえていきます。

2002-2003

現代アート大学 2002〜2003

「現代アート大学」は、ワタリウム美術館の最も好評のある講演会シリーズです。
1992年にスタートして第7期をむかえます。
「現代アート」とは何か。世界で最も注目されているキュレーターたちと 話し合いながら、世界がはげしく大きく変革していく現在、「現代アート」を通し、未来をみつめ、考えていく会です。

講演会 19:00〜21:00

講演会
2002年10月17日(thu)

■形式の政治性を越えて

ドクメンタ・、マニュフェスタ・が示唆するもの初のアフリカ系コミッショナー、オクイ・エンヴェゾールを迎えたドクメンタ・は、脱植民地化後の世界の複合的な文化を反映する「今までで最も理論的に先端的」なドクメンタであることが期待されていた。実際には、作品の視覚的な保守性がその政治性を曖昧にしていた印象の強い本展を顧みて、ディアスポラや東欧出身作家の政治的身振りを強調しながらも、現実とのリンクを容易にみいだせないでいるヨーロッパの現代美術の「最前線」の矛盾を指摘する。

講師=松井みどり
美術評論家、比較文化。英米文学、比較文化のなかの「モダニズム」研究を通して現代美術研究を始める。日米同時代の現代美術作家について、論文や記事を多数発表。

 
2002年11月8日(fri)

■動機と感情の大切さについて
情報化がなしくずしに進むなか、感情が希薄になっています。生活における感情の意味、幼少時にモティーフを育てることの大切さについて、考えましょう。

講師=野田正彰
評論家、京都女子大学教授(精神病理学)。
著書『させられる教育』『戦争と罪責』『喪の途上にて』『国家に病む人びと』他多数。

 
2003年1月16日(thu)

■アメリカから運ばれた 20世紀のデザイン
20世紀をリードしたアメリカのデザインとは?これまでとは異なった規模でのテロと報復テロが引き起こされ、インターナショナルな視点から新たな社会をデザインしようとした近代の理念は崩れ去った。こうした現在の状況の中で、日本の20世紀のデザインは限界を迎えている。
20世紀のデザインがどのような理念を掲げ、今どのような問題が残されているのかについて、アメリカから日本に運ばれたデザインを中心にお話し頂く。

講師=柏木博
1946年神戸市生まれ。デザイン思想史。武蔵野美術大学卒業。現在、同校教授。
著書『近代日本の産業デザイン思想』『日用品のデザイン思想』『おもちゃの神話』『道具の政治学』『欲望の図像学』『デザイン戦略』『肖像のなかの権力』『ミクロユートピアの家族』『家事の政治学』他多数

 
2003年1月30日(thu)

■現代アートの美術館:why bother ?
デビッド・エリオットは、現代美術が潜在的に持ちえる社会のダイナミックな役割についてを言及する。彼は、最近のビルバオ・グッゲンハイムなどの“大掛かりなスペクタクルを見せるための美術館”といった考えや、美術や文化を地域分けしたり分類する研究所といった役割に意義を申し続けてきました。これらについて、25年間の美術館館長のキャリアの中で、作り出してきた展覧会などを例に問題定義を行う。

講師=デビッド・エリオット
オックス・フォード近代美術館館長、ストックホルム近代美術館館長を歴任し、現在、東京の森アートセンター(2003年開設)初代館長に就任。
現代美術、ロシア・アヴァンギャルド、19世紀後半〜20世紀の中欧・東欧、また西欧以外の地域を専門として、展覧会を多数キュレートする。「After the Wall 展」「Organising Freedom 展」他多数

 
2003年2月6日(thu)

■世界の根拠のなさについて
グローバリズムと戦争の世紀に生きていくとはどういうことか、音楽家、高橋悠治が、トーク、朗読、音を交えて語ります。

講師=高橋悠治
1960年代、欧米で現代音楽のピアニストとして活躍。その後、日本で前衛音楽雑誌「トランソニック  」を編集。バッハや、サティのピアノ曲を録音し、アジア民衆の抵抗歌をうたう「水牛楽団」を結成。即興、コンピューターによる作曲やライブを経て、最近は和楽器によりながら、手の動きと声の色に関心をもつ。著書に「音楽の反方法論序説』など。

 
追って、追加1回、ご連絡いたします。

特典
■ワタリウム美術館の展覧会を無料でご覧になれます。
■「現代アート大学」会員にはいろいろなニュース、ワタリウム美術館のインフォメーションをお送りします。

会費
■入会金/3,000円(初年度のみ)
■参加費/11,500円(全6回通し)

お問合せ・お申込先
■ワタリウム美術館 「現代アート大学2002」実行委員会
 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前3-7-6
 Tel.03−3402−3001 Fax.03−3405−7714
 email:official@watarium.co.jp


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