もう一つ日本では紹介されることが少ないがマシュマ ロマンやサンタクロースのコスチュームなどを着たパフォーマンスも行っていることもお知らせしたい。
話をもう一度91年以降に戻ってみよう。ファ ブリス・イベールはこのような従来のインスタレーション的な作品から、インタラクティヴを取り入れた作品へと移行させている。この理由として彼の経営する会社UR(unlimited Responsibilty)を通じて作品を制作し流通させていく事を始めてい る。ちょうど日本から帰ってこの会社の運営に力を注ぎ始めている。ですから日本にいた時に次に活動していく方向性を練っていたように思われる。
そしてこの新しい傾向の作品は97年のライプチヒで のMuster-Testoo展に始まりフランスのポワチエに巡回しているDietetiquet展(ダイエット的な栄養学) でこの方向性は完結した感がある。これらの展覧会では100体のマルチプル(機能付きオブジェのプロト タイブ)というよりは日用品のアイデア商品とでも言った方がよい作品を展示してあり、それらが観客のテストを経ながら改良され完成度を増していくというものである。例えば風車を帽子に付けて風の力で耳の掃除をしていくなど、一見笑ってしまうものなどが多くある。
さて今後のファブリス・イベールの活動ですが、20 00年パリの凱旋門で半年間展覧会を開催する予定です。タイトルは「E.T.との出会い」を考えていると いう。未だ思案中であるが観客が変なオブジェや人などに出会っていくようなものを計画中である。3階の「E.T.の種」はそのエスキースでもある。。これを制作中の彼は「アイデアが一杯ありすぎでまとまらな い。」と嘆いていた。そう彼の制作課程は大掛かりなプロジェクトだけでなくドローイングに至るまで、ドンドン異なるアイデアが放出しそれらをリンクさせていきながらまとめていく。その結果が何枚ものドローイングが重ねられ張り込まれていく作品となっていくのである。(その際もファブリスは必ず自分で一枚一枚関係性を図るように作品を設置していく)どちらにしてもこの凱旋門の展覧会がファブリス・イベールの次の新しい傾向となっていくのではないだろうか
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