☆ 多木浩二先生には、何年にもわたり、沢山の素敵な講演会をして頂きました。 ☆ そして、「歴史の天使」の時でした。(1996年9月13日~11月26日)
☆ 写真の視線に達するのは、「歴史」のなかに登場することのない歴史である。 と言う書き出された「夢の地図帳」でした。 ☆ 歴史にも乱丁・落丁がある。出来損ないの書物のない奇妙な迷路。 そんな不思議なエアポケットが写真の場である。 歴史学者が見落とした隙間、瞬間をまた細分した瞬間、空虚をまた空っぽにした空虚。 それが本当に見ぬ歴史が始まる場所である。 それが、写真家が見つける詩の生まれる場所なのだ――。
☆ 何年前だったか、スイスの骨董屋で買った「天使」を、今も眺めていました。 多木浩二先生から、いろいろ教わったことを、いつまでも、思い出してたいのです。
和多利志津子
2011年4月29日