2010年 6月10日ケルンにて、シグマー・ポルケが亡くなったというが、まだ日本の新聞に載っていない。 嘘が大好きだというポルケだから、また、冗談かしらと、 思っていた。
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1989年の5月でした。 ドイツのバーデン・バーデンで、シグマー・ポルケの、 初めての写真展を観に行った時でした。 「明日、ポーランドへ行く」と、私が話すと、 「どこへ」「どうして」と、ポルケは、しつこく聞いてくる。
後から知ったのは、 ポルケは、1941年2月13日シュレージエン(今はポーランド)という町に生まれ、 終戦の年に東ドイツに移ったと、云うことでした。
この写真は、南フランス、たしか、アルルの近く。 1994年の暑い夏の日の事でした。 ポルケが大好きな人々、 パリ、ドイツ、イタリアから大勢集まってて、日本人は私一人でした。 素敵な夕食会でした。 その夜、美術館の庭を歩いていた。 フランスなのに、どうして蛍が飛んでいるのだろうと、思ったのです。
和多利志津子