トルコに渡り民間交流を深めた、幕末生まれの茶人 |
||
山田寅次郎 やまだとらじろう |
||
招 |
伊東忠太からの絵ハガキ 山田家蔵 |
トルコからのゲスト 特別ご招待回 |
東京築地本願寺の建築家として知られる伊東忠太(1867〜1954)。 1902〜1905年、「東洋建築」を極めるべく忠太は三年三ヶ月の世界旅行を敢行した。この建築行脚で訪れたオスマン帝国の首都イスタンブルで、忠太は日土関係の黎明期、 民間大使として活躍した山田寅次郎(1866〜1957)の知己を得る。アナトリア、エジプト、パレスチナへと続いた孤独な旅行中、忠太を支えたのは、きめ細やかな寅次郎の気配りと、ユーモアに富んだ絵葉書のやりとりだった。新資料から判明した二人の友情を紹介しつつ、伊東忠太がオスマン帝国から読み取った「東洋建築」の姿に迫る。 |
||
講師: ジラルデッリ青木美由紀 じらるでっり あおきみゆき (美術 史家、イスタンブル工科大学非常勤准教授補) 早稲田大学第一文学部、同大学院文学研究科を経てイスタンブル工科大学大学院で博士号(美術史)取得。文学博士。オスマン建築史、美術史。「イスタンブルの三人の日本人:山田寅次郎・伊東忠太・大谷光瑞」(イスタンブル・リサーチ・インスティチュート2010 年)、「オスマンの宮殿に吹く日本の風」(ドルマバフチェ宮殿美術ギャラリー、 2012 年)など展覧会キュレーション、『芸術新潮』大特集「永遠のイスタンブール」(2012 年9月号)などの著作のほか、NHK BS「世界遺産 時を刻む」、BS 日本テレビ「中谷美紀トルコ紀行」の案内役など、テレビ出演でも活躍中。 |
||
1 |
トルコの人々 土耳古画観より 山田家蔵 |
7月10日(金) 2015年 |
上州沼田藩主家老職の次男として生まれた寅次郎は、好奇心旺盛な青年だった。人生の前半をトルコで過ごし、トルコ国の親日化の礎を築く一方、人生後半では、茶道宗遍流八世家元として、宗遍流中興の祖と云われた、波瀾万丈に満ちた90 歳の生涯を辿り、魅力有る生きざまを知る。 |
||
講師:高山正 + 聞き手和多利月子(ワタリウム美術館) たかやま まさし(群馬県沼田市教育委員会 社会教育課長) 市役所勤務一筋のなか、20 年前に教育委員会へ異動となった時、郷土史研究に目覚め、それ以来、特に人物研究を行い、地元コミュニティエフエムのFMおぜで、 毎週「利根沼田の人物伝」としての番組を担当し、200人の人物伝を解説した。山田寅次郎に関しても、2002 年頃より、調べを続け、群馬テレビや、多くの郷土関係雑誌に寄稿を行った。 |
||
2 |
日土織物会社 THE CRESENT MOON and THE SUN Three Japanese in Istanbul カタログより |
9月11日(金) 2015年 |
山田寅次郎と大谷光瑞は、いずれも日本とトルコが国家的関係を形成した20世紀前半にトルコで重要な役割を演じましたが、両者の接点を中心に当時の両国の関係をお話しします。 | ||
講師:ヤマンラール水野美奈子 やまんらーる みずのみなこ (元龍谷大学教授・NPO日本トルコ交流協会代表・国際トルコ美術史学会常任理事) 1944 年東京生。慶應義塾大学文学研究科修士課程修了。イスタンブル大学にて文学博士号取得。 |
||
3 |
露伴全集 |
10月9日(金) 2015年 |
日本とトルコのかけはしになった山田寅次郎が、若き日に作家、幸田露伴と親しく交際していたことはあまり知られていない。しかし、両者はまだともに世に知られないころから親密なまじわりを持っており、露伴の作家デビューに大きな役割をはたしたのも寅次郎だった。この講演では、トルコに渡るまでの若き寅次郎の活動を紹介するとともに、露伴が寅次郎をモデルに書いた小説「書生商人」や、寅次郎との旅を描いた紀行「酔興記」を読んでみたい。 | ||
講師:出口智之 + 聞き手 和多利月子(ワタリウム美術館) でぐち ともゆき(東海大学文学部准教授) 1981 年愛知県豊明市生まれ。東京大学文学部卒、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程満期退学。日本学術振興会特別研究員を経て、2010 年より東海大学に着任。現在、東海大学准教授。博士(文学)。専門は日本近代文学で、特に幸田露伴を中心に、樋口一葉、森鴎外などの明治期の文学を研究。著書に『幸田露伴と根岸党の文人たち』(教育評論社)、『幸田露伴の文学空間』(青簡舎)、編書に『汽車に乗った明治の文人たち』(教育評論社)、共著に『J ブンガク?英語で出会い、日本語を味わう名作50』(東京大学出版会)がある。 |
||
4 |
伊東忠太からの絵ハガキ_山田家蔵 |
11月13日(金) 2015年 |
寅次郎が養子に入った茶道宗偏流の歴史、そし57歳で八世家元を襲名後、機関誌『知音』創刊。流祖山田宗偏縁の赤穂浪士義士茶会を開催。全国をまわって宗偏流を広める活動に取り組んだ茶人としての寅次郎(山田宗有)を当時のエピソードを加えてお話します。 | ||
講師:茶道宗遍流 家元 十一世 山田宗偏 |
||
山田寅次郎研究会 申込方法 ● 6 月19 日 参加費:無料・「古今東西100 人展」入場券(又は御招待封筒)またはワタリウム美術館会員証にて、ご参加いただけます。[お申込の方へチケットを開催日3 日前までにE-mail 又はFaxにてお送りいたします] |
ワタリウム美術館 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前3-7-6 |
tel:03-3402-3001 fax:03-3405-7714 e-mail: official@watarium.co.jp |