水の波紋展2021

水の波紋展2021 消えゆく風景から ー 新たなランドスケープ

⟨アーティスト⟩

クリスチャン・ボルタンスキー / デイヴィッド・ハモンズ / 檜皮一彦 / ホアン・ヨンピン / ファブリス・イベール / JR(ジェイ・アール) / 柿本ケンサク / 川俣正 / フランツ・ウエスト / バリー・マッギー / フィリップ・ラメット / 名もなき実昌 / 坂本龍一 / アピチャッポン・ウィーラセタクン / 笹岡由梨子 / SIDE CORE / 竹川宣彰 / トモトシ / UGO / 梅沢和木 / 山内祥太 / Yotta / 弓指寛治 / 渡辺志桜里 / ビル・ウッドロウ

EXHIBITION

展示内容

江戸時代から東京のランドスケープは火事、地震、戦争によりそのありようを変えてきた。それは、オリンピックにおいても例外ではない。 1995年に開催した「水の波紋95」展では、アート作品を青山の街に点在させ、普段は歩かない都市の裏側の魅力をみてもらうことを意識しキュレーションを実施した。 今回の「水の波紋2021」では、変わろうとしている新旧の街並みの狭間にあえて作品を配置するよう試みた。企画者である私が地元住民ということで、子どもの頃よく遊んだ公園、同級生が住んでいた団地などを多く登場させることになった。再開発によってこれらが消えていくことに少し感傷的になった感もあるだろう。 オリンピックと同時期に開催ということから展示場所の確保が難しかったが、表通りから見えない現在の街の風景と、若いアーティストたちの街への想いを作品として見ていただけると確信している。

「パビリオン・トウキョウ2021」とあわせて9月5日まで開催しているので、2つの街の企画を一緒にご覧いただける。「パビリオン・トウキョウ2021」は、建築的で青山通りを中心としているが、「水の波紋2021」では、さらに小道に入りアート作品を1つ1つ訪ねていただきたい。今回街に放ったさまざまな作品が観客の皆さんの新たな発見に繋がっていくことを願っている。

WORKS

作品

PROFILE

プロフィール

1.ファブリス・イベール
Fabrice Hyber
フランス 1961-

1997年第47回ヴェネチア・ビエンナーレで、フランス館をテレビ局として機能させ、ビエンナーレで起きるすべての出来事を作品の中に取り込むという斬新なアイデアを発表、最年少で金獅子賞を受賞。 2000年を記念し、凱旋門に環境保護をテーマとする作品《時の変化》を制作。

2.トモトシ
Tomotosi
日本 1983-

大学卒業後10年に渡り建築設計・都市計画に携わる。2014年より映像インスタレーション作品を発表。「人の動きを意識的に変化させる」ことをテーマに、都市空間を舞台に制作。2020年より西荻窪にトモ都市美術 館(現TOMO都市美術館)を企画運営。

3.名もなき実昌
Namonaki Sanemasa
日本 1992-

2013年よりTwitterアカウント名で活動し、インターネットにおける人格や画像と、アニメキャラクターの類似性をテーマに作品を制作。デジタルネイティブ世代を感じさせる作風でペインティングやドローイングを中心に作品を制作。

4.バリー・マッギー
Barry McGee
アメリカ 1966-

TWISTというタグ名をもつ、21世紀のグラフィティ界の巨匠。ストリートに生きる人々をテーマとした作品をつくる。ペインティング、スカルプチャー、ファウンドオブジェなどを織り交ぜた圧倒的なインスタレーションでも知られ、「ヴェネチア・ビエンナーレ」 (2002)にも参加。

5.サイドコア
SIDE CORE
2012〈結成〉-

2012年より活動開始。メンバーは高須咲恵、松下徹、西広太志。ストリートカルチャーを切り口に様々なアートプロジェクトを展開している。「風景にノイズを起こす」をテーマに、都市や地域でのリサーチを土台としてアクションを伴った作品を制作。

6.ホアン・ヨンピン
Huang Yong Ping
中国 1954 - 2019

天安門事件を機に、中国からパリに移住。昆虫、洗濯機、飛行機などあらゆるものを素材として作品に用いている。常に緊張感と危険を表した作品を制作。

7.クリスチャン・ボルタンスキー
Christian Boltansky
フランス 1944-2021

1960年代後半より短編フィルム作品を制作、1970年代に入り写真を用いた作品を制作する。1984年より、肖像写真に小さな電球をあて祭壇を思わせる「モニュメント」シリーズを制作しはじめ、失われた時間や記憶の「遺物」を作品として発表。2006年、高松宮殿下記念世界文化賞受賞、2021年7月、死去。

8.フィリップ・ラメット
Philippe Ramette
フランス 1961-

パリを拠点に制作活動を続けている。1990年代初めから「携帯可能な個人的視点」「一目ぼれ用肘掛け椅子」「ことば放射砲」といった作品タイトルにその機能が示されたオブジェを制作している。「水の波紋95」展では、4つの立体作品を制作した。

9.坂本龍一
Ryuichi Sakamoto
日本 1952-

1978年『千のナイフ』でソロデビュー。同年『YELLOW MAGIC ORCHESTRA (YMO)』を結成。散開後も多方面で 活躍。映画『戦場のメリークリスマス』の音楽で英国アカデミー賞を、映画『ラストエンペラー』の音楽ではアカデミーオリジナル音楽作曲賞、グラミー賞、他を受賞。

9.アピチャッポン・ウィーラセタクン
Apichatpong Weerasethakul
タイ 1970-

1993年に短編映画『Bullet(原題)』で監督デビュー。大学では建築を専攻、24歳で渡米し、映画作家・美術作家として活動。カンヌ国際映画祭で「ブリスフリー・ユアーズ」(02)である視点部門、「トロピカル・マラディ」(04)で審査員賞を受賞など。

10.デイヴィッド・ハモンズ
David Hammons
アメリカ、1943-

グランド・ピアノと石炭の間をオモチャの汽車が走り抜ける「ブルー・トレインを追いかけて」(1990)という作品で、黒人社会とジャズを強烈に表現し、一躍20世紀末のアメリカを代表するアーティストとなった。

11.山内祥太
Shota Yamauchi
日本 1992-

テクノロジーをベースに制作したデジタルイメージと、身体や粘土といったプリミティブな素材を掛け合わせた、彫刻的想像力とデジタルの融合を主な作品制作として試みる。デジタル的な新しさだけではなく、人間的な生々しさや普遍性を意識した制作に取り組む。

12.梅沢和木
Kazuki Umezawa
日本 1985-

インターネット上に散らばる画像を再構築し、圧倒的な情報量に対峙する感覚をカオス的な画面で表現する。 CASHI所属。主な展示に、RICOH ART GALLERY「画像・アラウンドスケープ・粒子」 (2021)、CASHI「黒の夢」 (2020)など。

13.梅沢和木
Kazuki Umezawa
日本 1985-

インターネット上に散らばる画像を再構築し、圧倒的な情報量に対峙する感覚をカオス的な画面で表現する。 CASHI所属。主な展示に、RICOH ART GALLERY「画像・アラウンドスケープ・粒子」 (2021)、CASHI「黒の夢」 (2020)など。

14.檜皮一彦
Kazuhiko Hiwa
日本

《hiwadrome》なるコアコンセプトのもとに、自身も使用する車椅子や身体性をテーマとしたインスタレーション作品を手掛ける。また、パブリックへの介入「play」を行い、様々な境界や関係性を問い直すムーブメント、映像作品などの制作も行う。

15.ビル・ウッドロウ
Bill Woodrow
イギリス 1948-

1970年代後半から、車や家電などを用い、おもに彫刻作品、インスタレーションの他、平面作品を制作。 1983年と1991年、サンパウロ-ビエナーレに英国を代表して出展した。

16.柿本ケンサク
Kensaku Kakimoto
日本 1982-

映画、コマーシャルフィルム、ミュージックビデオを中心に、演出家、映像作家、撮影監督として多くの映像、写真作品を手がける。ACCグランプリをはじめとし国内外で数々のAWARDを受賞。日本のみならず欧米、アジアへと活動範囲を広げる。

17.弓指寛治
Kanji Yumisashi
日本 1986-

16年のゲンロン カオス*ラウンジ 新芸術校第1期成果展「先制 第一撃」で金賞を受賞。母親の自死について描いた巨大な絵画《挽歌》(2016)を発表して以降、「自殺」や「慰霊」をテーマに制作を続けている。

18.川俣正
Tadashi Kawamata
日本 1953-

1982年、ベネチアビエンナーレに参加以来、世界を舞台に活躍する。作風は「製作プロセスそのもの」も作品であるということ。インスタレーションという手法をいち早くとりいれた作家としても知られる。

18.フランツ・ウエスト
Franz West
オーストリア 1947-2012

コンセプチュアルな彫刻や、絵画、さまざまな素材を用いた立体やインスタレーションなどの作品を制作し、ドクメンタ(1992/1997)など世界中で作品を発表。ニューヨーク近代美術館(1997)をはじめ、数多くの個展を開催。

19.弓指寛治
Kanji Yumisashi
日本 1986-

16年のゲンロン カオス*ラウンジ 新芸術校第1期成果展「先制 第一撃」で金賞を受賞。母親の自死について描いた巨大な絵画《挽歌》(2016)を発表して以降、「自殺」や「慰霊」をテーマに制作を続けている。

20.弓指寛治
Kanji Yumisashi
日本 1986-

16年のゲンロン カオス*ラウンジ 新芸術校第1期成果展「先制 第一撃」で金賞を受賞。母親の自死について描いた巨大な絵画《挽歌》(2016)を発表して以降、「自殺」や「慰霊」をテーマに制作を続けている。

21.ジェイアール
JR
フランス 1983- / INSIDE OUT PROJECT インサイドアウトプロジェクト 2011-

屋外の建物や通りに巨大な写真を貼るというグラフィティ表現を用いる。世界各地で弾圧や貧困、差別のもとで暮らす人々を撮影し、それを現地の人たちと壁に貼る活動インサイドアウト・プロジェクトを展開中。

22.ウゴウ
UGO
日本 2020〈結成〉-

2020年10月にオープンしたアートスペース。築60年の木造アパートをリノベーションして生まれた新しい新大久保の「たまり場」となり、多数の若手アーティストが制作活動を行う。多種多様な国籍と文化が交差する新大久保で、多様性を尊重する「たまり場」になることを目指している。

23.笹岡由梨子
Yuriko Sasaoka
日本 1988-

絵画表現が創作の原点にあるが、絵画の中に描かれた情景が動き出し、音を奏でる、共感覚のような鑑賞体験を元に、「絵画軸映像」という独自のアプローチで映像作品を制作する。岡本太郎現代芸術賞 特別賞 (2016)をはじめとし数々の賞を受賞。

24.渡辺志桜里
Shiori Watanabe
日本 1984-

全体性を主軸に、個々が集合した現象と、その個に携わる身体の境界に焦点を当てて制作する。今年6月は2人展「Dyadic Stem」(The 5th Floor)で、水・生物・植物が循環しつづけるインスタレーションを発表。

25.竹川宣彰
Nobuaki Takekawa
日本 1977-

作品は、平面、立体、インスタレーションなど多岐に渡り、個人のアイデンティティや関心をベースにしながらも、同時に社会や政治の渦中にある問題を考察する。「第12回リヨンビエンナーレ」 (2013)をはじめ国内外で数多くの展覧会に参加。

26.ヨタ
Yotta
日本 2010〈結成〉-

木崎公隆・山脇弘道からなる現代アートのユニット。ジャンルや枠組み、ルールや不文律など、あらゆる価値観の境界線上を発表の場としており、それらを融解させるような作品制作を行っている。芸術祭や小学校でのワークショップなど、幅広く活動。

28.トモトシ
Tomotosi
日本 1983-

大学卒業後10年に渡り建築設計・都市計画に携わる。2014年より映像インスタレーション作品を発表。「人の動きを意識的に変化させる」ことをテーマに、都市空間を舞台に制作。2020年より西荻窪にトモ都市美術 館(現TOMO都市美術館)を企画運営。

EVENT

関連イベント

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