会期
1998年4月25日(sat)−8月30日(sun)
参加作家
ファン・オゴルマン
ディエゴ・リベラ
フローリダ・カーロ
ディエゴ・リベラとフローリダ・カーロの二人は、ともに近代メキシコを代表する画家であったが、1989年に結婚、リベラは二人のアトリエ兼住居を、当時まだ若かった建築家ファン・オゴルマンに依頼する、。オゴルマンは1931年に計画に着手、建築は1932年に完成している。
オゴルマンの建築は完全に幾何学的な近代建築で、メキシコの機能主義的建築のもっとも初期の作品であるが、構成は巧みで、スケール感があり、ヴォリュームは力強い。一方、壁に塗られている色彩と内部空間にメキシコ特有の魅力に溢れている。近年修復されたこの建築を目にすると、あらためてみずみずしい姿で現れてくるのに驚かされる。このアトリエでカーロとリベラの二人は、それぞれきわめて独特の絵画をつくりだしていた。オゴルマンの建築、カーロとリベラの作品、それらを横断していくと、プレ・コロンビア期、植民地時代、革命後のメキシコのモダニズムにおいて、独自の複雑なアイデンティティを形成してきたメキシコの歴史が見える。
オゴルマンが、学校建設、集合住宅などを設計し、メキシコの近代建築の普及に貢献した時期は以外に短い。カーロとリベラのためのこの家は、その傑作であり、ヨーロッパの近代建築の理解の深さを示している。その彼が、1950年に建てた自分の家は、イタリアのボマルツォの庭園の怪奇趣味を、プレ・コロンビア期の仮面とが融合した幻想的な建築に変化する。このオゴルマンの変化もまた、メキシコ文化の根深い様相を知る手掛かりである。
1933年から57年までフリーダ・カーロとディエゴ・リベラが用いていたアトリエ兼住居。建築デザインはホアン・オゴルマン。
ファン・オゴルマン (1905-1982) >>
メキシコの建築家、画家。若き日よ りメキシコの近代建築をリードし、やがて幻想的な絵画に転ずる。
ディエゴ・リベラ (1886-1957) >>
メキシコの画家。フランスでキュビズムの影響を受け、1921年帰国後は、壁画運動の中心的画家となり、アメリカ合衆国でも数多くの壁画をつくる。
フローリダ・カーロ (1907-1954) >>
1925年に自動車事故にあい、回復期から絵を描きはじめ、リベラに見てもらう。のちリベラと結婚、特異な自画像を描き続けた。
2F
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3F
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4F
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オープニング記念スピーチ
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「カーロとリベラの家」について
スピーカー:
ピクトル・ヒメネス
(メキシコ国立芸術院、建築、芸術遺産保存局長)
ファン・コロネル・リベラ
(ディエゴ・リベラの孫)
伊東豊雄(建築家)
多木浩二(哲学者)
進行:和多利恵津子(ワタリウム美術館)
会期中レクチュア
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モダニズムを考える1
5月22日(fri)19:00〜21:00
対談:今福龍太(文化人類学)×多木浩二(哲学者)
モダニズムを考える2
講師:
伊東豊雄(建築家)
ギジェルモ・エギアルテ
(駐日メキシコ大使館文化担当公使/建築家)
ワタリウム美術館
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