「Don't Follow the Wind」について |
住む事すら出来ないほどの崩壊と汚染が起きている大災害のもと、アートに出来る事とは何でしょうか?
展覧会「Don't Follow the Wind(以下、DFW)」では元住民の方々によって提供された区域内の様々な会場に作品が展示されていますが、会場は立ち入りが制限された危険な場所のため一般公開はされず、したがってこの展覧会「DFW」は封鎖が解除されるまで視覚的にみにいく事ができません。展覧会「DFW」は現状に対する応答でありながらも、人々の目に触れるのは、その場所が再び開放される未来なのです。
その未来とは3年後かもしれませんし、10年後、あるいはそれ以上後のことかもしれません。その期間は現在を生きる私たちの生涯を超えて新たな世代へと広がり、私たちにアートと時間の関係性を再び見直すことを問いかけます。「 DFW」は人々が住まない場所に存在し、"今"を記録しますが、予測不可能な未来においては過去の記録として存在します。そしてアートそのものは我々が介在することなく、生きる証のように、人間の弱みや願望を背負ってそこに存在し続けます。 場所:東京電力福島第一原子力発電所周辺の帰還困難区域内某所
日時:2015 年3 月11 日〜20XX年XX月XX日
<実行委員会> Chim↑Pom(アーティスト)、窪田研二(キュレーター、筑波大学准教授)、椹木野衣(美術批評家、多摩美術大学教授)、竹内公太(アーティスト)、藤城里香(無人島プロダクション代表)、緑川雄太郎(ア ートディレクター)、山本裕子(山本現代代表)
<アドバイザー>池上健太郎、小貫和洋(元富岡町図書館長)、近藤健一(森美術館キュレーター)、辛美沙(MISA SHIN GALLERY 代表)、南條史生(森美術館館長)、吉野誠一、キャロル・フレッチャー・ギャラリー
http://www.dontfollowthewind.info
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What can art do in an ongoing catastrophe, when destruction and contamination have made living impossible? Don’t Follow the Wind is an ongoing exhibition taking place inside the restricted Fukushima Exclusion Zone, the radioactive evacuated area surrounding the Daiichi Nuclear Power - owned by TEPCO - established in the wake of the 2011 disaster that contaminated the area separating residents from their homes, land, and community.
New works developed by participating Japanese and international artists have been installed in the zone at four sites lent by former residents - a home, warehouse, farm and a recreation center - all of which are contaminated and were evacuated immediately after the disaster.
As the Fukushima exclusion zone remains inaccessible to the public, the exhibition will be ongoing but largely invisible – a condition akin to radiation itself – only to be viewed in the future, if and when it becomes safe once again for the residents to return. The exhibition opened on 11 March 2015 but there is no clear timeline for public access to the sites, perhaps 3 years, 10 years, or decades - a period of time that could stretch beyond our lifetime.
The title of the exhibition Don’t Follow the Wind comes from a life-saving account by a Fukushima resident currently collaborating on the project. During the evacuation, the man (a hobby fisherman) was advised by a friend working at the power plant to travel in the opposite direction to the wind carrying nuclear fallout material. Evaluating the wind direction whilst fleeing with his family, the man changed his direction contrary to advice from official Japanese government sources and successfully drove his family to safety.
http://www.dontfollowthewind.info
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艾未未(アイ・ウェイウェイ) Ai WeiWei |
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1957 年生まれ、北京在住。美術家。建築やインスタレーション、ソーシャルメディアからドキュメンタリーまで、幅広いメディアを介して作品をみる者に新しい可能性や見解をもって社会やその価値を考察させる作品を発表している。
近年の主な個展は、Evidence at theMartin-Gropius-Bau in Berlin、Ai Weiwei: According to What? at the Brooklyn Museum in NewYork、Ai Weiwei at Blenheim Palace in Woodstock UK, and@Large: Ai Weiwei on Alcatraz in San Francisco. |
Chim↑Pom (チンポム) |
気合い100連発|KI-AI 100
2011© Chim↑Pom
Courtesy of the artist and MUJIN-TO Production, Tokyo
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卯城竜太・林靖高・エリイ・岡田将孝・稲岡求・水野俊紀の当時20 代の6名が、2005 年に東京で結成したアーティスト集団。時代のリアルに反射神経で反応し、現代社会に全力で介入した強い社会的メッセージを持つ作品を次々と発表。映像作品を中心に、インスタレーション、パフォーマンスなど、メディアを自在に横断しながら表現している。東京をベースに活動しながら、世界中の展覧会に参加、海外でもさまざまなプロジェクトを展開している。2015 年、アジアの若手現代アーティストを表彰する『Prudential Eye Awards for Contemporary Asian Art』で大賞にあたる「Emerging Artist of the Year」およびデジタル・ビデオ部門の最優秀賞に選出され「Emerging Artist of the Year」およびデジタル・ビデオ部門の最優秀賞に選出された。
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グランギニョル未来 Grand Guignol Mirai |
「その人が見た未来は僕らの現在」2015
© Fuyuki Yamakawa |
2014 年、美術家の村上隆から提案された演劇プロジェクトを受けるかたちで、批評家の椹木野衣、演出家の飴屋法水によって結成。1983 年に飴屋が結成した劇団「東京グランギニョル」による85 年の公演「ライチ光クラブ」が日航123 便御巣鷹山墜落事故に触発されていたことから、この飛行機事故を「3・11」以後の状況から再解釈することを椹木が提唱。現在の日航機墜落現場や日航安全啓発センターに残る事故機体や犠牲者の遺品などをリサーチのうえ、椹木が戯曲を執筆。これをもとに飴屋が演出(出演も)し、演劇作品「グランギニョル未来」として2014 年8 月、横浜(ヨコハマ創造都市センター)で発表した。2015 年、同公演で主演を務めた美術家の山川冬樹、3・11 以後の福島市内の様子を写真で記録し続ける赤城修司が新たに加わり、4人編成となって「Don't Follow The Wind」展に参加。現在に至る。
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ニコラス・ハーシュ、ホルヘ・オテロ=パイロス
Nikolaus Hirsch and Jorge Otero-Pailos |
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"DO WE DREAM UNDER THE SAME
SKY" -2015 A collaborative project
with Rirkrit Tiravanija, Michel Mu¨ller、
Art Basel |
ニコラス・ハーシュ:フランクフルト在住建築家、キュレーター。英国建築協会で講義を持つほか、2010~2013 年までシュテデール美術大学、ポルティクスギャラリー( フランクフルト) のディレクターを務める。DresdenSynagogue (2001) で賞を受賞。主な建築作品は Hinzert Document Center(2006), Cybermohalla Hub in Delhi (2008-12) など。 またこれまで "CulturalAgencies" (Istanbul, 2009/10)、 "Mengele´s Skull" by Thomas Keenanand Eyal Weizman、 the Folly project for the Gwangju Biennale and RealDMZ in Korea (2013/14) にキュレーターとして参加している。
ホルヘ・オテロ=パイロス:建築家、建築保存理論家、コロンビア大学准
教授。主な展覧会は Victoria and Albert Museum (2015), Louis Vuitton La
Galerie (2015), Venice Art Biennial (2009), Manifesta Art Biennial (2008) を
はじめ、様々な国のギャラリーで作品を発表している。また、ジャーナリス
トとしてArt in America, Artforum, Modern Painters, DAMn, Architectural
Record, AA Files, Places, Quaderns, Volumeなどに寄稿をしている。
主な出版物はArchitecture' s Historical Turn (2010) 、Rem Koolhaas'
Preservation Is Overtaking Us (2014)など。 |
小泉明郎 Meiro Koizumi |
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若き侍の肖像、ビデオ・インスタレーション、2009年、(photo by:Sergey Illin)
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1976年群馬県邑楽郡生まれ。横浜市在住。1999年国際基督教大学卒業。その後、チェルシー・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザイン( ロンドン) にて映像表現を学ぶ。アーカスプロジェクト2003( 茨城) やライクスアカデミー( アムステルダム) 等、国内外で滞在制作し映像やパフォーマンスによる作品を発表している。主な個展に「Project Series 99: Meiro Koizumi」ニューヨーク近代美術館(2013年)「、Stories of a Beautiful Country」Centro de Arte Caja de Burgos [CAB(] ブルゴス/ スペイン、2012 年)、「MAM Project 009:小泉明郎」森美術館(東京2009 年)、ほか「フューチャー・ジェネレーション・アート・プライズ2012」ピンチュック・アートセンター(キエフ、2012 年)、「インビジブル・メモリー展」原美術館(東京、2011 年)、「リバプール・ビエンナーレ2010」(2010 年)、「メディア・シティ・ソウル2010」(2010 年)、「第一回あいちトリエンナーレ」(2010 年)などに参加。2012 年は上毛芸術文化賞を受賞している。
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エヴァ&フランコ・マッテス Eva and Franco Mattes |
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"Plan C" - 2010Plastic interversion,Chernoby,Manchester Photo by Tod Seelie
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1976 年イタリア生まれ。ニューヨーク在住のアーティストデュオ。インターネット、ビデオ、パフォーマンスを含め、ソーシャルメディアやシミュレーション、シチュエーションを活用し、人間が遠隔的に操作された架空の場で道徳やモラルがどのように働くかを模索する作品を発表している。2012 年ミネアポリス美術館、サンダース映画祭、2009 年PS1, New York、 2009年及び2007 年Performa, New York 2008 年中国美術館(北京)、2005 年ニュー・ミュージアム・オブ・コンテンポラリー・アート、 2002 年Manifesta 4 ( フランクフルト) で作品を展示。また2001 年最年少でベニス・ビエンナーレに参加。2004 年より毎年スペイン・バルセロナにて国際シンポジウム『TheInfluencers』を行っている。
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宮永愛子 Aiko Miyanaga |
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夜に降る景色‐時計‐2010 , ナフタリン、ミクストメディア
22.4x30.5x19cm, 写真:宮島径
(c)MIYANAGA Aiko Courtesy Mizuma Art Gallery
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1974 年京都市生まれ。2008 年藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修士課程修了。
ナフタリンや塩、陶器の貫入音や葉脈を使ったインスタレーションなど、気配の痕跡を用いて時を視覚化する作品で注目を集める。2013 年「日産アートアワード」初代グランプリ受賞。主な展覧会に「Strata: slumbering on the shore」(リバプール中央図書館/ 2014)、「札幌国際芸術祭2014」(札幌芸術の森美術館)、「日産アートアワード2013」(BankART Studio NYK)、「宮永愛子:なかそら―空中空―」(国立国際美術館/ 2012)、「あいちトリエンナーレ2010」(愛
知芸術文化センター)、「ドゥーブル・リュミエール?宮永愛子&関根直子」(パリ日本文化会館/ 2010)、「アーティスト・ファイル2009」(国立新美術館)など。
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アーメット・ユーグAhmet Ögut |
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1982 年トルコ生まれ、ベルリン・アムステルダム在住。これまで様々なメディアを融合し作品を発表してきた。主な個展として、Forward!, Van Abbemuseum, Eindhoven (2015); Happy Together: Collaborators Collaborating, Chisenhale Gallery, London (2015); Apparatuses of Subversion, Horst-Janssen-Museum, Oldenburg (2014); Stacion − Center for Contemporary Art Prishtina (2013); Ku¨nstlerhaus Stuttgart (2012); SALT Beyoglu, Istanbul (2011); The MATRIX Program at the UC Berkeley Art Museum (2010); Ku¨nstlerha us Bremen (2009); and Kunsthalle Basel (2008) |
タリン・サイモン Taryn Simon |
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ニューヨーク在住、美術家。ブラウン大学卒業、Guggenheim Fellow から奨学金を得る。作品は写真、文章、彫刻、パフォーマンス等多様な表現が用いられる。タリンは作品制作にあたり入念なリサーチを行い、関心ある要素を導きだし分類化し、それらを作品として構成している。主な展覧会に2007 年ホイットニー美術館(ニューヨーク)、2011 年テートモダン(ロンドン)、2012 年ニューヨーク近代美術館。また、メトロポリタン美術館、テートモダン、グッケンハイム美術館、ポンピドゥーセンターに作品が収蔵。2015 年にベニス・ビエンナーレに参加。
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竹川宣彰 Nobuaki Takekawa |
Ship in a sea cucumber ナマコシップ- 2011
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1977 年東京生まれ。2002 東京藝術大学油絵学部卒業。2002 年〜2008 年にかけてオオタファインアーツにて個展「 竹川宣彰」。その後 2011~2013 年にも同ギャラリーで個展を行った。
Collection Lambert(アヴィニョン)、国立国際美術館(大阪)に作品収蔵。2004「 Eijanaika !」Collection Lambert(アヴィニョン)、「AKIMAHEN」Maison Folie Wazemmes(リール)、「アートがあれば」オペラアートシティギャラリー(東京)、2007 年oti Session」広島市現代美術館(広島)2012 年「リアル・ジャパネスク」国立国際美術館(大阪)、2013 年「六本木アートナイト」六本木ロアビル( 東京) など多くのグループ展に参加。 |
竹内公太 Kota Takeuchi |
2、Eyes on Hand Ukedo-Coast《手の目請戸の海岸》2015,キャンバスに油彩,
LED ライト,シリコン
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1982 年生まれ。都市風景や歴史の痕跡への視線を追認するパフォーマンスを元にした映像、油彩画、インスタレーションを制作。2011 年の日本の原発事故下のライブカメラに映った人物の代理人として映像を発表し、2014 年"Good Morning Mr Owell 2014"(韓国、ナムジュンパイクアートセンター)、2013 年 "Now Japan"( オランダ、KAdE)等に参加。自身も作家として2013 年" メディア/ アートキッチン"(バンコク、バンコクアート&カルチャーセンター)、"MOT コレクション After images of tomorrow"(東京都現代美術館)等に参加。
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園子温(その・しおん)Shion Sono |
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映画監督・詩人。1961年愛知県生まれ。17歳で詩人デビューし、「ジーパンをはいた朔太郎」と呼ばれ注目される。1987年、『男の花道』でPFF グランプリを受賞。以後、旺盛に作品を制作し、世界でも高い評価を得る。近年では『愛のむきだし』で第59回ベルリン国際映画祭カリガリ賞、国際批評家連盟賞をダブル受賞。その後も『冷たい熱帯魚』( 第67回ヴェネチア国際映画祭オゾンティ・コンペティション部門正式出品)、『恋の罪』(第64回カンヌ国際映画祭監督週間正式作品) といった暴力や性に切り込む衝撃作を続々と発表している。DFW 展ではドキュメント制作を担当。 |
加藤翼(かとう・つばさ)Tsubasa Kato |
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アーティスト。1984年生まれ。「偶然の参加、創造される体験、現場/非現場」をテーマとした作品「引き倒し/引き興し」を、震災後の福島県いわき市、ネイティブアメリカン居留地、マレーシアの無国籍コミュニティ他、国内外のさまざまな場所で行なう。「Come Close」(Bus Projects、オーストラリア)、「Now Japan」(Kunsthal KAdE、オランダ)、「Project Daejeon」(Daejeon Museum of Art、 韓国)、「他人の時間」(国立国際美術館)などの展覧会に参加、2014年には、ドキュメンタリー映画『ミタケオヤシン』が公開される。森美術館の「六本木クロッシング」で特別賞(隈研吾賞)受賞(2010)。現在、ワシントン大学客員研究員、シアトル在住。
"11.3 Project" Performance view:
Toyama District, Iwaki City, Fukushima, 2011
© Tsubasa KATO
Courtesy of MUJIN-TO Production |
宇川 直宏(うかわ なおひろ) Naohiro Ukawa |
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DOMMUNE代表、MOM/N/DAD PRODUCTIONS主宰、元Mixrooffice代表、GODFATHER主謀、山本現代所属。京都造形芸術大学教授。デザイナー、ビデオディレクター、VJ、文筆家、司会業、レーベルオーナー、オーガナイザー、ファッションブランドディレクター、クラブオーナー、番組プロデューサー、"現在美術家"…などジャンルを横断し、多岐に渡る活動を行うアーティスト。98年サンフランシスコより帰国以後、世界各地で展覧会開催(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
『@DOMMUNE FINAL MEDIAが伝授するライブストリーミングの超魔術!!!!!!!! DOMMUNE Books』より |
園子温* 宇川直宏* 加藤翼* (*は、「Non-Visitor Center 展」のみの参加) |