「いま必要なことは選択の道があるということに気づくことだ。宇宙のデザインの法則を手に入れる道は開かれている。問題は制度としての政治や宗教における人間ではなく、個人としての人間が法則の発見者たり得るかということに尽きる。」
バックミンスター・フラー
1982年10月25日東京での講演会で語った言葉。 ワタリウム美術館設立前、この同じ場所でバックミンスター・フラーを迎え小さな講演会が開催された。その夜、100人余りの日本の観客の前で、当時87歳のフラ―が熱く語った。
「チャンス・オペレーションによって、石を選び、やはり偶然に選んだ鉛筆を使うから、私は何もしない。ただこの石の輪郭をなぞるだけだ、ということになるんです。やってみて、ああ、これはきれいだ、ということがわかるんです。私は旅人みたいなものです。」
ジョン・ケージ
1988年 NYのアトリエにて、『 Ryoanji(龍安寺)』の石庭のドローイングについて、 ワタリウム美術館前館長和多利志津子が尋ねたときのジョン・ケージの言葉。 『アイ・ラブ・アート』(1989)に掲載。本書は、「現代美術を、軽く、やさしく、身近なアートへ」と、和多利志津子が12人のアーティストたちとの出会いを書いた本。 以後「アイ・ラブ・アート」は、ワタリウム美術館のコレクション展のタイトルとなった。
「固めず、かつ抽象的にならず、他者に迎合するのではなく、見たこともないような幼少の時からぼんやりと構想していたことを伝えたい。この統合することが不可能な感覚は、僕に三次元ではなく四次元の空間を思い起こさせるのだが、そんなもの伝えられるわけがない。ところがドローイングを描くと、ふっとその切片が見えるような気がするのだ。・・中略・・ドローイングは僕の思考の軌跡であり、同時に僕の通貨になったのだ。1サカグチ=50万円である。人間そのものを通貨化する。それが今、ぼんやりと僕が考えている未来の社会の在り方である。」
坂口恭平
思考都市 坂口恭平 Drawing 1999-2012』( 2013年) のためのテキスト。ワタリウム美術館「新政府展」開催を記念し、坂口恭平初のドローイング集を出版。
ム・ジュン・パイク
ユーラシアン・ウェイ 1993 |
デイヴィッド・ハモンズ
思いがけないシンフォニーU 1991 |
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