協賛
お願いと注意事項 ●作品保護のためカバンなどの手荷物はすべて受付にお預け下さい。 ●〈鳥小屋〉トリーハウスへの入室について 1)毎日16:00-18:00にお入りいただけます。 2)不適切な服装(ハイヒールやロングドレスなど)、 体調や体質に問題がある方のご入室をお断りする場合があります。 3)入室に際し、万一の場合の誓約書にご記入いただきます。
「文」人は、書、画、琴、棋を日常的に楽しみ、鑑定、収集、知識のコノワスールではあるが、幹林院(かんりんいん 注1 )などプロフェッショナルなビューロクラート・士大夫ではないこと、詩文を得意とするが友人と交換するのはみずからの趣味においてであり、天下、国家とは無縁である。技芸を職とせずアマチュアに徹し、墨、筆、硯、紙を愛でる。 というばくぜんとした定義があるようですが、これをこのまま実行するとピカソを超えたと自称する張大千(チャン・ダイチェン1899−1983注2) ように、偽書、偽画においては五百年にひとりの天才という評価を甘受しなければならなくなります。 「文人の画は王維に始まる」とした董其昌(とうきしょう1555−1663 注3 ) が「米?の書画船も羨まず」と記した「書画船」に誘われ、高士明 (ガオ・シーミン 注4)が 「Yellow Box」展(2006)を組織したと、会場前の運河に浮かぶ小舟をひき揚げ、部屋一杯になるように置き台座とし、釣人よろしく展示物を並べました。書画船はいま風にいえばキャンピング・カー式の移動ギャラリーです。現実にここに住むなら、住所不定、蛋民 (たんみん 注5)のごとき有様になります。 運河が消失したこの列島の、しかも標高千メートルの軽井沢の地に「書画船」をひき揚げるわけにはいかず、四畳半(二つがさねの立方体)の小屋をつくりました。40年程むかしのことです。「かこい」です。小さい窓をあけました。浅間山の山頂が「山越阿弥陀図」 (やまごしあみだず 注6)のように西の丘のうえにのぞく。「造物主義」(デミウルゴモルフィスム)論にかかわる稿をつくりました7。
「〈鳥小屋〉と呼ばれている軽井沢の書斎」からの眺め
大分の磯崎家の庭には「ボタンの花が一面に咲き、父の茶室が一画にあった」という。琴棋書画そしてボタン、南宋にはじまる文人の領 分。(藤森照信)