WATARI-UM  
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manray
Risaku Shuzuki White12,H-511
bらんck 会期  8月4日[土] 〜11月11日[日]
休館日:月曜日[5月4日は開館]
     開館時間:11時より19時まで
     (毎週水曜日は21時ま
で延長)
bらんck休館日 月曜日 [9月17日、10月8日は開館
bらんck開館時間 11時より19時まで [毎週水曜日は21時まで延長]
bらんck 入場料 

大人 1000 円 / 学生[25 歳以下] 800 円 
ペア券:大人 2人 1600円 / 学生 2人 1200円
会期中何度でも入場できるパスポート制チケット

bらんck 主催  ワタリウム美術館
bらんck 協賛

フォトグラファーズ・ラボラトリー

bらんck 協力   ギャラリー小柳
bらんck参加作家

クリスチャン・ボルタンスキー

 

チン↑ポム

 

アレン・ギンズバーグ

 

ロバート・フランク

 

鈴木理策

bらんck参加作家

ダイアン・アーバス

 

アウグスト・ザンダー

 

ルネ・マグリット

 

マン・レイ

 

ロバート・メイプルソープ

 

デュアン・マイケルズ

  ジョエル=ピーター・ウィトキン
展示内容プロフィールイベントワークショップ
 
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美術、写真、建築をはじめ幅広いジャンルに独自の批評を展開した思想家、多木浩二(1928年神戸生まれ)氏が2011年4月13日に死去された。この展覧会は多木浩二氏が ワタリウム美術館のために書き下ろした写真論『歴史の天使』をもとに、2012年版として再構成し、12人の作家の作品とともに展示した。

 

「歴史」にも乱丁、落丁がある。出来損ないの書物の中の奇妙な迷路。そんな不思議なエアポケットが写真の場である。
歴史学者が見落とした隙間、瞬間をまた細分した瞬間、空虚をまた空っぽにした空虚。
それがほんとうにはまだ見ぬ歴史がはじまる場所である。
                  多木浩二「歴史の天使展(1996年9月13日〜11月24日 ワタリウム美術館)」カタログより

― 楽園から吹いてくる強風が天使の翼にはらまれるばかりか、その風のいきおいがはげしいので、
  かれはもう翼を閉じることができない。
  強風は天使を、かれが背中を向けている未来のほうへ、不可抗的に運んでいく。
  その一方ではかれの眼前の廃墟の山が、天に届くばかりに高くなる。ぼくらが進歩と呼ぶものは、この強風なのだ ― 
                    ヴァルター・ベンヤミン『歴史哲学テーゼ・IX』(野村 修訳)より

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第一章〈歴史の天使〉

こうした歴史の変わり目にたったとき、ベンヤミンの見事な詩的断章(『歴史の天使』)が、私たちの立場を明確に言い当てている。
‥‥「あたらしい天使」と題されているクレーの絵がある。それにはひとりの天使が描かれていおり、天使は、かれが凝視している何ものかから、いまにも遠ざかろうとしているところのように見える。かれの眼は、大きく見ひらかれていて、口はひらき、翼は拡げられている。歴史の天使はこのような様子であるに違いない。‥‥ 
ヴァルター・ベンヤミン『歴史哲学テーゼ・IX』(野村 修訳)より





  ダイアン・アーバス
Diane Arbus
1923-1971 アメリカ
フリークスなど、アメリカ社会のダークサイドを人物写真を通じて表現した。
(図版)付けぼくろのプエルトリコ女、ニューヨーク・シティー
アウグスト・ザンダー
August Sander
1876-1964 ドイツ
肖像写真のシリーズ「20世紀の人間たち」を撮影。時代を超えた視線を捉えた写真家。
(図版)失業中の水夫 1923年頃/76年
     

第二章 〈昔むかし‥‥〉

飛躍した連想を可能にするのは「歴史」のなかには登場することのない歴史である。
たしかに写真は過去のイメージ、瞬間的にあらわれては飛び去るイメージである。いたずらな光の、きらめきのなかで消え失せた出来事。

それらが風で吹き飛ばされないように、必死で?ぎ留めているのは、われわれの現在しかないのだ。ある思想家が言ったように、私たちはあまり未来に羨望を抱かないらしい。私たちの花々はひらいたまま、私たちの対話は終わらないで中断されたまま。私たちのイカロスは落ちたまま






  ルネ・マグリット
Ren_ Magritte
1898-1967 ベルギー
画家。「言葉とイメージ」の問題を追求した作品は、20世紀文化に大きな影響を与えた。
(図版) 女王セミラミス(「たくらみのない情景」より)1928年
マン・レイ 
Man Ray
1890-1976 アメリカ
ダダやシュルレアリスム、前衛芸術運動の中心人物。写真を新たな芸術表現へと確立させた。
(図版)世界 1931年
     

第三章〈肉体と視線〉

ひとりの人間はさまざまな肉体をもっている。年齢とともに、否応なく衣装はとりかえられる。わかわかしく、美しい肉体、太って醜い毛むくじゃらの肉体、死に瀕した肉体、そして最後にただ腐っている肉体になる。
ひとびとはいたるところに肉体の刻印を残す。力をこめて肉体を賛嘆するまとめない記憶の雲にすぎないのである。
ベッドの上に天使が舞い降りているときであろうと、処刑の朝をまっていようと、自分の肉体に優しい視線を走らせることのできる人びとは幸福である


duanmickel

ロバート・メイプルソープ
Robert Mapplethorpe
1946-1989 アメリカ
花、ヌード、有名人の肖像などを撮り、絵画的要素を融合させた写真作品を制作。
(図版)カールトン  1987年

デュアン・マイケルズ
Duane Michals
 1932- アメリカ
日常空間で自ら演出した場面を、超自然現象や夢の中の光景のように撮影する。

ジョエル=ピーター・ウィトキン
Jo el-Peter Witkin
 1939- アメリカ
解剖中の屍体などを被写体に、独特の美意識で神話的なイメージにまとめあげ撮影する。
(図版)ケヴェダの鳥、ニュー・メキシコ 1982年
     

第四章〈溺死したイメージ〉

本当に主題になるのは「歴史」のなかには登場することのない歴史である。
巨大な舟が沈没する。タイタニック――—これは事件だ。人びとはそれを歴史に書き込む。しかし難破につづく溺死者のながい漂流―—―それは歴史の外にある。偶然、どこかから流れてきて、次々と浜辺に打ち上げられてくる溺死者の群れ。写真もそんな風にして生まれてくるのだ。集まった写真の一枚一枚のあいだには、こうした名前のない死者たちの生ぬるいため息が潜んでいる。

   

クリスチャン・ボルタンスキー
Christian Boltansky
1944- フランス
写真や古着なども用い、人の経験や記憶のはかなさ、「生と死」をテーマにした作品を多く制している。

 

     

第五章〈またたくまの百年〉

この百年、人間は夥しい血を浪費した。あまりにも多くのことを消尽した。生命、性的欲望、自然、言葉、貨幣‥‥。私たちは休息と睡眠まで汲み尽くしてしまった。休息とは、五感が蘇って活気にみちた光景を繰り広げる時間であり、睡眠とは暗闇の底に誘いこまれて夢をみる時間である。
国家、ひとつの癒されぬ病————この癒されぬ病にとりつかれた人間たちは掴み合い、殺し合う。国家、毒液をたらしている病。
次の千年————不思議なことに、今や「次の千年なる言葉」が不思議ではない。————私たちが期待するのはその病の根絶することである。

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  チン↑ポム
Chim↑Pom
1944- フランス
2005年に結成された6人組のアート集団。社会的メッセージの強い作品で評価を得る。
 
     

第六章〈夢の地図帳

写真の視線が達するのは「歴史」のなかには登場することのない歴史である。別に隠れているわけではないが、理性の眼には止まらないのである
いつのまにか私たちの地図が、自分でを見るようになった。だから毎晩、地図が眠りこみ、都市はたえまなく形を変えている。円かったと思えば、正方形になり、山頂にあったかと思えば、海底に沈んでいる。煙のような都市。人の声すらしない都市。騒音に引き裂かれた都市。内部から炸裂する都市。都市についてはお伽話ばかり。

  franck
  アレン・ギンズバーグ
Alen Ginsberg
1926-97 アメリカ
詩集『吠える』で知られる「ビート」を代表する文学者。写真作品なども手掛けた。
ロバート・フランク
Robert Frank
1924- スイス/アメリカ
伝説の写真集"アメリカ人(The Americans)" で現代写真に衝撃を与えた。
     

第七章〈フットワーク

クライマクスはどこにもない。ヒロイックな昂(たかぶ)りもない。なんの特徴もない光景が、次第に、人間の町に見え、生活がはじまる。そこまではイメージだが、やがてイメージを超え、写真のうまれる場所そのものが神話的な都市に変貌していくのだ
写真家は、世界全体を再現しようなどと考えない。彼は、写真は断片であるかぎり、価値があることを知っている。断片をつなぎあわせる限界も知っているのである。写真家にはもったいぶった気取りよりも、軽快なフットワークが似つかわしい。あるいはやってくる時代の波をたくみにとらえるサーファーかもしれない。
それが写真家が見つける詩の生まれる場所なのだ

 
  鈴木理策
Risaku Suzuki
1963 日本
和歌山県生まれ。2000年、第25回木村伊兵衛写真賞受賞。時間や記憶、場所の気配など、視覚に収まらない感覚を主題とする作品を発表し続ける
 
     
   
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― クリエイターズ対談―
レンズはヤオヨロズの神の夢を見るか
日 時: 10 月 5 日 ( 金 ) 2012 年 19:00-21:00
出 演 : 杉山恒太郎(クリエーティブディレクター) + 鈴木理策(写真家)


日本の広告クリエィティブを世界レベルに押し上げたディレクター杉山恒太郎氏と、
ユニークなアプローチで世界に新鮮な視線を導く写真家の鈴木理策氏をむかえ、これ
からのクリエイターが育むべき原初的感受性・思考力・表現力について、またお二人
が共有された熊野と武術の話題にも触れながら表現することの不思議と可能性を探ります。

杉山恒太郎(すぎやまこうたろう):1948 年東京都生まれ。1974 年電通入社。現在、ライトパブリシティ副社長。インタラクティブ広告の確立に寄与。トラディショナル広告とインタラクティブ広告の両方を熟知した数少ないエグゼクティブ クリエーティブディレクター。
主な作品に、小学館『ピッカピッカの一年生』キャンペーン、セブンイレブン『セブンイレブンいい気分』、 丸井『天使が降る夜に会いましょう』など。
鈴木理策(すずきりさく):1963 年和歌山県新宮市生まれ。2000 年に写真集『PILES OF TIME』(光琳社出版)にて第25 回木村伊兵衛写真賞受賞。時間や記憶、場所の気配など、視覚に収まらない感覚を主題とする作品を発表し続ける。

参加費: 1000円(要予約)

会場: ワタリウム美術館

 

ご予約方法:
「10 月 5 日参加申込」と明記し、お名前、参加人数、ご連絡先(住所/電話番号/Fax番号又はE-mailアドレス)をご記入の上、E-mail:official@watarium.co.jpまたは、Fax:03-3405-7714までお送り下さい。

 
なお、同時に、参加費を下記の口座にお振込下さい。( 定員になり次第〆切り) 
振込先:三井住友銀行  青山支店 (普)1033281 ( 名義)ワタリウム美術館
ご参加当日、【振込明細書】を控えとしてお持ち頂き、会場「ワタリウム美術館」受付にてご提示下さい。【参加チケット】と交換致します。
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