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ブルーノ・タウト展english
会期

2007年2月3日(sat)−2007年5月27日(sun)
Part 1 (2月3日〜3月31日)、Part 2 (4月1日〜5月27日)
3月末に展示の入れ替えがあります。

開館時間11:00〜19:00 *毎週水曜日は21:00まで延長
休館日:月曜日
(但し2月12日、4月30日は開館)

入館料 入場料:大人1,000円 学生800円(25歳以下)
(期間中、何度も使えるパスポート制)
主催 ブルーノ・タウト展実行委員会/ワタリウム美術館
   
展示協力 東リ株式会社/株式会社堀内カラー/井上工業株式会社/中村展設株式会社/KEIM FARBEN GmbH & Co KG
構成 マンフレド・シュパイデル
実行委員長 磯崎新
会場デザイン 隈研吾建築都市設計事務所
出品協力 Akademie der Kunst, Berlin/Verein Polygon/Theaterwissenschaftliche Sammlung/Architektur Museum Technische Universitat Munchen /Thanh Thuy Taut/Isi Fischer/Winfried Brenne
東京大学工学部建築学科/群馬県立歴史博物館/岩波書店/創造学園大学/少林山達磨寺タウト記念室/熱海市
展示内容作品会場風景イベント
展示内容 exhibition▲PAGE TOP

桂離宮を<再発見>したことで知られるドイツ建築家ブルーノ・タウト(1880-1938)。彼の建築や工芸ばかりではなく、その思想や理念が、今ふたたび注目を集めています。

ベルリンではタウトの設計したジードルンク(集合住宅)の修復が進められ、70年余ぶりに当時の鮮やかな色彩が忠実に復元されました。統一後の大規模な再開発が一息ついたベルリンでは、この20年代の中産階級のためのジードルンクの豊饒な空間が再評価され、現在ユネスコの世界遺産として登録が予定されています。

日本でも、タウトが来日中に設計した『熱海・日向邸』(1935-36)の一般公開が始まり、ワインレッドのシルクの壁に包まれたエレガントなインテリアが人気を集めています。日本を愛し、各地を見聞し著された『ニッポン』や『日本文化私観』などの著作は、日本人のための日本文化の手引きとして、今も広く読み続けられています。

20世紀初頭、タウトは、日常生活、社会生活、そして純粋な精神生活という3要素を融合させたとき初めて完璧な世界となるというユートピア思想をかかげていました。1933年、日本を訪れ、そこでクリエイターや職人たちと出会い、日本の伝統や美意識を体験します。それらはタウトの思想をどのように発展させていったのでしょうか。

今回の展覧会のために、タウトの作品約170点が、ベルリンを中心としてドイツ全国8ヶ所、さらに日本全国6ヶ所から集められました。タウトの思想の新しい解釈に基づいた3つのコンセプトに沿って展示は次のように構成されています。

第一部  芸術の役目「建築芸術のユートピア」

タウトの美しいドローイング集『アルプス建築』(1919年)、ケルンの博覧会で建設されたガラス工業組合のためのパビリオン『グラスハウス』(1919年)、桂離宮の再評価を決定付けた『画帖桂離宮』(1935年)のオリジナル図版、そしてドイツ時代の建築作品を中心にタウトの構想したユートピアの全貌を展示します。また、展示会場の壁面では、ベルリン郊外の田園都市『ファルケンベルク』(1913-16年)の鮮やかな色彩を当時と同じ天然塗料で再現、床もタウトのデザインによる図案で敷き詰めます。

第二部 自然と芸術「ブルーノ・タウトと日本の友人たち」

今回の展覧会では初めてタウトが娘や日本人の友人たちに宛てた手紙の全貌が明らかにされます。民芸の柳宗悦、ドイツ文学者の篠田英雄、そして唯一の弟子と言われる水原徳言等に宛てた手紙を中心に展示します。そこからタウトにおける建築と芸術の理念を解釈します。その理念の源泉としてベルリン時代のユートピアグループ『ガラスの鎖』とタウトの手紙も合わせて紹介します。

第三部 エレガントな生活「日向邸と工芸」
会場では『熱海、日向邸』の一部を原寸で復元し、そこで工芸品や家具を展示します。日本におけるタウトの建築の特徴は、それが工芸と結び付けられていることです。日本の伝統工芸や民家、それとヨーロッパ近代の機能と精紳が融合された世界として、タウトが日本で設計した住宅のプロジェクトと、工芸品のスケッチやその作品を合わせて展示します。

ブルーノ・タウト、ポート・レイト、1925年頃


ブルーノ・タウト、洗心亭にて
作品 work of art▲PAGE TOP
ブルーノ・タウト
キャンドルスタンド5本立、1936年
ブルーノ・タウト
漆塗り手鏡および鏡台、1936-37年
ブルーノ・タウト
『画帖桂離宮』第11葉「生活そのものが最も簡素な形式を与える 自然は形式である」、1934年
ブルーノ・タウト
カクテル・キャビネット、1934年
ブルーノ・タウト
富士、1933年
ブルーノ・タウト
住宅街区(ベルリン=ヴァイセンゼー)、1925-30年
ブルーノ・タウト
田園都市郊外「ファルケンベルク」(ベルリン=グリューナウ)、1913-14年
ブルーノ・タウト
「グラスハウス」完成時のドーム内観写真、1914年
ブルーノ・タウト
『アルプス建築』第10図「万年雪と氷におおわれた山頂」、1919年
ブルーノ・タウト
『アルプス建築』第28図「星の系」、1919年
ブルーノ・タウト
『アルプス建築』第7図「クリスタル谷」、1919年
ブルーノ・タウト
『アルプス建築』第6図「花冠の谷」、1919年
ブルーノ・タウト
『アルプス建築』第26図「ドーム星」、1919年
ブルーノ・タウト
コリーンの森、1903年

会場風景 scene of gallery▲PAGE TOP
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ワークショップ workshop▲PAGE TOP
関連企画1

○2月3日(土)17:00-
ブルーノ・タウト展オープニング記念トーク
出演:マンフレド・シュパイデル(アーヘン工科大学教授) + 水原徳言(工芸家) + 磯崎新(建築家)

マンフレド・シュパイデル Manfred Speidel
1938年、シュトゥットガルト生まれ。1965年、シュトゥットガルト大学建築学部卒業。ブルーノ・タウト研究の第一人者。1987-1992年、世界のアール・ヌーボー建築保存のためのユネスコ・プロジェクトで科学コーディネーターを務める。

水原徳言
1911年生まれ。1930年、井上房一郎が高崎で始めた工芸製品活動に参加。タウトが高崎に滞在し、工芸製品制作の指導に関わるようになった際、共同制作者、協力者として活動する。日本における、タウトの唯一の弟子と言われている。

磯崎新
1931年生まれ。1961年東京大学大学院建築学博士課程修了。1963年磯崎アトリエ創設。主な作品に「大分県立中央図書館」「群馬県立近代美術館」「MOCA-ロスアンゼルス現代美術館」「奈義町現代美術館」など多数。 

□参加費 2000円(要予約、ワタリウム美術館会員御招待)

オープニング・レクチャー
○2月4日(日)16:00-19:00
マンフレド・シュパイデル(アーヘン工科大学教授)
第一部:『アルプス建築』から『画帖桂離宮』へ
山岳をクリスタル化した純粋芸術としての『アルプス建築』。それと対照的な簡素な住宅と庭園空間について語った『画帖桂離宮』。その両者に通底する世界観とは何か。

第二部:B・タウトの建築から工芸におけるオリエンタリズム
ブルーノ・タウトの建築作品は表現主義やモダニズムで語られてきた。しかし、その背後に共通して認められるのは、デザインの源泉としてのオリエントへの眼差しに他ならない。

□参加費 2000円(要予約、ワタリウム美術館サポート会員 1,000円、一般会員 1,600円)、シリーズ講演会に御参加の方は御招待)


関連企画2
シリーズ講演会:タウト建築の夢
全6回  19:00-21:00

○3 月2日(金)
講師:隈研吾(建築家)
1954年横浜生まれ。代表作に「亀老山展望台」「馬頭町広重美術館」他多数。熱海の海岸沿いの崖地の上に計画されたゲストハウス「水/ガラス」(1995年竣工)の隣には、ブルーノ・タウトが残した建築「日向邸」が建つ。

日向邸から海を臨む
日向邸は上からの視点も、そして下の視点からも消去されている。
「水/ガラス」と呼ばれるプロジェクトの場合も同じであった。・・・唯一の例外は日向邸からの視点であり、その庭に立った時にだけ「水/ガラス」の外観があらわれる。・・・共感。あるいはオマージュ。(隈研吾『反オブジェクト』より) 今回のレクチャーでは、タウトとご自身の関りの歴史について、お話しいただきます。

○3月9日(金)
講師:磯崎新(建築家)
1931年生まれ。1961年東京大学大学院建築学博士課程修了。1963年磯崎アトリエ創設。主な作品に「大分県立中央図書館」「群馬県立近代美術館」「MOCA-ロスアンゼルス現代美術館」「奈義町現代美術館」など多数。

トルコでのタウト

アタチュルクへの献身、葬儀場の計画とみずからの死。

○3月16日(金)
講師:井上章一 (国際日本文化センター教授)
1955年、京都府生まれ。1980年京都大学大学院研究科建築学専攻修士課程修了。専門分野は、建築史・意匠論。著書に、『法隆寺への精神史』『つくられた桂離宮神話』『愛の空間』など多数。

桂離宮の色と綾

これまで、多くの建築家たちが、桂離宮を論じてきた。そのため建築や庭の形ばかりが語られてきたと思う。今回は、建築家たちが目をむけない京都の歴史、公家と町衆の文化、そしてエロスをとり上げたい

○3月23日(金)
講師:進士五十八(東京農業大学教授)
1944年生まれ。これまでに東京農業大学長、日本造園学会長、日本都市計画学会長、東南アジア国際農学会長。現在、日本学術会議会員、日本野外教育学会長、自治体学会代表運営委員など。著書、『日本の庭園』(中公新書)、『風景デザイン』ほか多数。

桂離宮の庭園美

日本庭園はその土地その場所の自然と意味を文化化した。中国文明を日本文化に転化。洪水対策を基礎に自然の名所を縮景し、時間の移ろいを演出した桂の庭園を隅々までを案内。そんな日本庭園を外国人はどうみたのか。

○3月31日(土)
講師:アーサー・ビナード(詩人)
1967年、米国生まれ。20才の頃、渡欧。卒論の際、日本語に出会い、魅惑されて来日。2001年、詩集『釣り上げては』で中原中也賞を受賞。2005年『日本語ぽこりぽこり』で講談社エッセイ賞を受賞。

パウンドと駅で落ち合おう
「地下鉄の駅に」という2行詩をくぐり戸にして、エズラ・パウンドの世界に分け入る。ホイットマンやビンナー、菅原克巳とも比較しながら、パウンドの長編詩『カントス』がいったい何なのか考えてみたい。

○4月6日(金)
講師:長谷川章(東京造形大学教授)
1954年東京生まれ。早稲田大学大学院修了後、坂倉建築研究所、ドイツ・アーヘン工科大学を経て、東京造形大学教授。著書に、『ドイツ表現主義の建築』『世紀末の都市と身体』他。

タウトの手紙に「眼の悦楽」の世界観を読む

草書への憧憬。心象風景としてのスケッチ。タウトの手紙もまた「眼の快楽」そのものである。その行間からタウトの手紙に託された世界観を読み取る。

講師:谷内克聡(群馬県立近代美術館専門員)
1960年生まれ。多摩美術大学大学院修了。ヴェネツィア大学留学(イタリア政府給費生)。専門はヴェネツィアを中心とした18世紀美術史。

パトロンと建築家 - 井上房一郎とタウト“二人のミラテス”
群馬県高崎の実業家井上房一郎と彼が銀座に開いた“雑貨店”「ミラテス」、そして彼が関った3人の建築家、ブルーノ・タウト、アントニン・レイモンド、磯崎新について、パトロンと建築家という観点から検証していく。

□シリーズ参加費 参加費と特典
全6回参加費: 10000円 (要予約、ワタリウム美術館会員 8,000円)
○ オープニング・レクチャー(2月4日)に御招待。 この回は人数制限のため、事前に予約が必要です。
○ ブルーノ・タウト展期間中は、展覧会に無料で入館出来ます。
□単回参加費 3,000円(要予約、ワタリウム美術館サポート会員1,500円、一般会員 2,400円)


関連企画3
ツアー「タウトとにっぽん」

高崎:タウトが暮らした「洗心亭」
3月17日(土)
タウトが2年2ヶ月滞在した少林山達磨寺洗心亭ほか、高崎の建築を巡るバスツアーとして、アントニン・レイモンド「群馬音楽ホール」、白井晟一「旧松井田町役場」などを見学予定。
講師:谷内克聡(群馬県立近代美術館)
参加費:5000円

熱海:タウトが遺した「日向邸」
3月25日(日)
日向邸は、日本に現存するタウトが設計した唯一の建築です。近在する隈研吾によるゲストハウス「水/ガラス」など、熱海の建築も訪ねます。さらに、タウトの見た熱海-多賀を巡るバス・ツアーです。
講師:谷口崇(熱海タウト会会長)
参加費:5000円

東京:タウトが歩いた「東京」
4月14日(土)
日本の伝統文化に深い関心を寄せたタウト。当時、タウトは東京の街をどのように歩き、分析していたのか。その足跡を辿ります。銀座、丸の内、日本橋、そしてブブノワ女史宅のあった大久保まで訪れる予定。
講師:斉藤理(東京大学客員研究員)
参加費3000円
□各回25人限定。 (詳細は、ワタリウム美術館までお問い合わせ下さい。)


ブルーノ・タウト展 関連企画申込方法
○御参加を希望される方は、お早めに御予約下さい。各催しは、定員になり次第〆切らせて頂きます。
○お申込・お問合先、ワタリウム美術館
  TEL:03-3402-3001 FAX:03-3405-7714 Email:official@watarium.co.jp
振込先 三井住友銀行 青山支店 (普)1033281 (名)ワタリウム美術館
日時、内容など、講師の都合により、変更になる場合もございますことをご了承下さい。


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