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子どもたちの100の言葉展 The Hundred Languages of Children
会期 2001年4月28日(sat)−6月24日(sun)
開館時間11:00〜19:00 *毎週水曜日は21:00まで延長
休館日:月曜日 *4月30日(月)は開館
入館料 入場料:大人1,000円 学生800円(25歳以下)
(期間中、何度も使えるパスポート制チケット)
展示協力 キヤノン株式会社、株式会社学習研究所
後援 イタリア大使館
協力 レッジョ・エミリア市、Max Mara
展示内容作品会場風景イベント
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この展覧会「子どもたちの100の言葉」は、子どもたちと一緒に体験する冒険物語です。
それはイタリア北部の小さな町、レッジョ・エミリアで第二次世界大戦直後、近くの村の人たちが率先して幼い子どもたちの学校を造ろうとしたことに始まりました。そして創設者の一人であるローリス・マラグッツィは、ここで積み重ねられた子どもたちの言葉や経験に素晴らしい方向性とインスピレ−ションを与え続けました。

そこでは、子どもたちの対話の場としての空間造りに力を注ぎ、自分を表現する創造的プロジェクトを数多く実践し、さらに家族と市民の熱心で辛抱強い参加によって、独自のネットワ−クが生まれました。
この小さな町の奇跡に、今世界中の熱い視線が注がれています。

それは人間の創造性が、決して特別な能力によって生まれるものではなく、むしろ日常生活の中の考え方、知り方、選択の仕方といった小さな経験の蓄積によって生まれることを提示しています。

そこには子どもたちの未来があり、それは私たちの希望でもあります。そしてア−トそのものなのです。
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レッジョ・アプローチに学ぶ
ウィークエンド幼児教育研究会 >>


第1回
4月28日(土) 19:00-21:00
インタビュー+対談 ヴェア・ヴェッキ+佐藤 学
「子どもの美術表現―子ども、教師、親、市民の学びの共同体」


世界の教育者と芸術者の絶賛を浴びてきた「子どもたちの100の言葉」の展覧会の魅力についてレッジョの保育実践の当事者の方にお聞きする。レッジョの実践と膨大な作品群は子どもの瑞々しい感受性と想像力の広がりを示してくれる。

4月29日(日) 18:00-20:00
特別講演 ヴェア・ヴェッキ
「創造性は空から降りてくるのだろうか?」


アトリエリスタとは美術教育を受け、子どもたちの創造的プロジェクトをプラン、実践するレッジョ独自のシステムである。アトリエリスタとしてさまざまな経験を持つヴェッキ女史が子どもの創造性について語ってくれる。

ヴェア・ヴェッキ
レッジョ・エミリアのディア−ナ幼児学校にて 35年以上の現場経験を持つ。アトリエリスタの代表的存在。
佐藤 学
1951年生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程了。現在、東京大学大学院教育学研究科教授。


第2回
5月12日(土) 19:00-21:00
講演 無藤 隆
「日本の保育から見たレッジョの意味」


レッジョ・エミリアの保育から何を学ぶことができるのか。子どもの体験からの実感を知的に高める工夫。協同の中に個を生かす仕組み。教師の協力的指導の体制、地域に根ざし、住民に支えられた保育のあり方。イタリアの地域性と日本の地域性の共鳴の中で考えてみたい。

5月13日(日) 18:00-20:00
講演 田辺敬子
「イタリアと世界の子ども文化に新しい地平を
ひらいたレッジョ・エミリア市の幼児教育実践」


イタリア教育史研究のなかで、レッジョとの交流を通じて、イタリアの教育や文化、歴史から学んだことを、日本のこれからの教育実践にどう生かしていけばよいのか。世界に開かれた日本の大人と子どもの文化を築いていくためのヒントを参加者と一緒に考えていきたい。

無藤 隆
1946年生まれ。東京大学教育学部卒業。現在、お茶の水女子大学生活科学部教授。発達心理学・保育学を専攻。
田辺敬子
東京外国語大学(イタリア科)卒、東京都立大学大学院(教育学)修了後、イタリア政府留学(ローマ大学)、現在、埼玉工業大学教授。


第3回
5月19日(土) 19:00-21:00
対談 谷川俊太郎+佐藤 学
「子どもの言葉・表現の言葉」


子どもは100の言葉を持っている。レッジョの展覧会の作品の印象を交流しながら、子どもの想像力と表現の言葉の可能性について、詩人(谷川)と教育学者(佐藤)の二人のダイアローグを展開したい。子どもにとって遊びと学びとアートとは一つの営みである。

5月20日(日) 18:00-21:00
講演I 秋田喜代美
「発達の軌跡を創り物語る保育
―プロジェクト型保育とそのドキュメンテーション」


レッジョ・エミリア市の保育の特徴の一つは、プロジェクトを中心とした保育の構成と、そのプロジェクトの軌跡を「子どもの発達・子どもの学び・保育者の学び」と言う3つの窓から記録するドキュメンテーションの有り方にあると考えられる。参加者の皆さんと一緒に対話しながら考えてみたいと思う。

講演II 森 真理
「響き合う子どもと大人の生活世界の創造へ
―レッジョ・エミリアの保育実践に学ぶ」


レッジョ・エミリアの保育実践は、子ども、教師、親、行政が参加し、響き合う関係によるコミュニケーションを展開してきた。子どもの可能性、可塑性、開放感、成長する望み、好奇心、不思議感、他者と関わり伝え合う声を大人が聴き、観て、集め、記録し、解釈し、よりよい生活を創造する保育です。

谷川俊太郎
1931年生まれ。文筆業。
秋田喜代美
東京大学大学院教育研究科博士課程修了。現在、東京大学大学院教育学研究科助教授。専門は、発達心理学、保育心理学、学校心理学。
森真理
日米で幼稚園教師を勤めた後、米国コロンビア大学大学院にて教育学を学び博士号を取得。現在、東洋英和女学院大学専任講師。保育者養成と研修に携わっている。専門は多文化教育と保育者論。



第4回
5月26日(土) 19:00-21:00
シンポジウム
「教育的な連帯の形成と幼児教育の改革
―レッジョ・アプロ−チの提言」
パネラー:ティツィアーナ・フィリッピーニ+小田 豊+田辺敬子+佐藤 学(司会)


レッジョ・エミリアの保育では障害を抱えた子どもたちとの統合教育をどのようにすすめているのか。親との共同で組織した運営委員会は幼児学校、乳児保育所の改革をどう支援しているのか。レッジョ・エミリアの保育行政の具体を聞き、日本の幼児教育の改革における行政と市民の役割を探求したい。

5月27日(日) 18:00-20:00
特別講演 ティツィアーナ・フィリッピーニ+マーラ・ダヴォリ
「プロジェクト活動の実践――子どもと教師と
アトリエリスタとペダゴジスタの共同」


「アトリエリスタ」と呼ばれる芸術家や「ペダゴジスタ」と呼ばれる教育学者は子どもたちの創造的な表現をどのように支援しているのか。レッジョ独自のさまざまなワ−クショップやプロジェクトを紹介いただき、その発展やその後のネットワ−ク作りについてもお聞きする。

ティツィアーナ・フィリッピーニ
教育学者(ペダゴジスタ)。レッジョ・エミリア市の幼児学校や乳児保育所を20年以上にわたり運営した経験を持つ。また、レッジョのドキュメンテ−ション・センタ−や教師のトレ−ニング・プログラムの作成も手掛け、今回の展覧会のコ−ディネ−タ−の一人でもある。
小田 豊
1942年生まれ。広島大学教育学卒業。前・滋賀大学教育学部教授を経て、現在文部科学省初等中等教育局視学官及び幼児教育調査官。専門は幼児期の臨床教育学。
マーラ・ダヴォリ
レッジョ・エミリア市のネル−ダ幼児学校のアトリエリスタとして25年の経験を持つ。レッジョのさまざまなプロジェクト、展覧会企画にも参加。教師の指導、ワ−クショップの指導、特に子どもたちがいろいろな素材を使用して創る《大きなモニュメント》の指導にあたる。


第5回
6月2日(土) 18:00-20:00
講演 野田正彰
「感情言語を失う子どもたち」


他者への態度としての「やさしさ」は、他者が自分に向ける行動としての「やさしさ」の要求に替わり、それが思うようにならないと、「傷つく」「傷つけられる」「むかつく」「切れる」へと飛躍していった。自分のいきづまりを感情で表現しているのではなく、身体感覚で表現しているのである。しかもこれは個人の精神病理ではなく、社会の精神病理となって流行している。“心のバブルの時代”がつくられた。

6月3日(日) 18:00-21:00
講演I 木下龍太郎
「レッジョ実践の特質と保育者の役割」


1: レッジョ型プロジェクトの特質を、その構成要素である探求・表現・交流・ドキュメンテーションに関して紹介し、日本における遊び活動中心の保育との異同を考える。
2: プロジェクトにおける教師の働き――特に子どもとの対話とprogettazione(観察・記録・計画・実践のサイクル)――を検討する。

講演II 佐藤 学
「レッジョ・アプローチから何を学ぶか?」


レッジョの指導者であるマラグッツィは、子どもの発達と教師と親の連帯の中にどのような未来社会を展望していたのか。マラグッツィは、デューイ、ピアジェ、ヴィゴツキーから何をどう学び実践の基礎としているのか。これらを検討しつつ、レッジョの教育改革の歴史的な意義を確かにしたい。

野田正彰
1944年生まれ。北海道大学医学部卒。長浜赤十字病院精神神経科部長を務めた後、現在、京都女子大学教授。
木下龍太郎
東京大学大学院教育学研究科博士課程修了。現在、山梨大学名誉教授(教育人間科学部)。
マーラ・ダヴォリ
レッジョ・エミリア市のネル−ダ幼児学校のアトリエリスタとして25年の経験を持つ。レッジョのさまざまなプロジェクト、展覧会企画にも参加。教師の指導、ワ−クショップの指導、特に子どもたちがいろいろな素材を使用して創る《大きなモニュメント》の指導にあたる。


「子どもたちの100の言葉」展チャリティーTシャツ >>

夏このTシャツはレッジョ・エミリア市の市立ディアーナ幼児学校の3才から6才までの子どもたちの4つの絵と言葉をプリントしたものです。これらはそれぞれ限定100部製作され、収益の一部は教育に関したプロジェクトのために使われます。

1枚 3,500円
(100部限定、番号付き

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ワタリウム美術館
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